コロナ禍からすでに4年以上が経過し、本書に記載されていることは、当社では概ね達成できている気がする。
当然世界的IT企業には及びもしないし、できていないことも多数あるが、企業文化の違いという側面もあるため、何が最適なのかは企業ごとに決めていかざるを得ないだろう。
そういう意味では、現時点では合格ラインな気がしている。
ただし、これからも天災厄災に関わらず、働き方という面では益々変化をしていくだろう。
そもそも、ビジネスモデル自体が大きく変化していくのだ。
そういう環境変化の中で、自社がどういう位置を取っていくか。
さらに言うと、その先の目指す道はどこなのか。
そういうことを、経営者だけではなく、社員も含めて見つけていく必要性がある。
どうしてもデジタル化できなくて、出勤せざるを得ない職場もまだまだあるだろう。
エッセンシャルワーク(essential work)とは、人々の生活にとって必要不可欠な仕事のことだが、そこまで行かなくとも、出勤が必要で対応しなくてはいけない仕事は社内に確実に存在する。
工場や設備がある会社は、当然誰かが出勤する必要がある訳で、すべてが遠隔操作で完結するのは難しい。
だからこそ、どういうバランスでどうやって働くのが最適なのかは、会社ごと、職場ごとに決めていくしかない。
当然、工場設備を遠隔操作する仕組みを導入検討することもその一つに入るだろう。
いずれにしても、環境変化に対応して行く必要があることは間違いない。
益々、チームビルディング含めた、仲間間の意思疎通をどう作り上げていくのかが、会社の競争力になっていくだろう。
そもそも働きづらい職場からは、人材が離れてしまいがちだ。
そうなると、さらに採用も困難になってしまう。
もし採用できたとしても、定着してくれなければ意味がない。
この悪循環でノウハウの継承が難しくなると、仕事の継続性という面でも不安が残る。
結果的に働きづらい職場こそ淘汰されてしまうから、経営者としては「そんな甘いことを言ってないで何とかしろ」なんて言っていられる余裕はないのである。
我々は変わらざるを得ない。
年齢を重ねるごとに、実は変わることが難しくなる。
今までの固定観念からどうしても抜けきれないし、新しい環境に慣れるのにも時間がかかってしまう。
これはある一定の年齢であれば、誰でも似たようなものだろうと思う。
当社でも、例え年輩であっても、学習して一部対応出来ているのは事実。
一方でGoogleドライブなどクラウドでのデータ管理などは、運用方法が部門・チームにお任せになってしまっているため、まだまだ使いこなせていない年輩の人も多い。
社内データのやり取りも、いまだにWordファイルをローカルPCに保存して、添付でメール送付する人がいたりする。
何度か使い方を教えているが、なかなか慣れた方法から変えられないようだ。
こういうところを改善していくのは、まだまだ時間がかかるのだろう。
とにかくチーム内で議論を重ねることが重要なのだ。
「我々はどういうルールで働くのが最適か」
当然、働きやすいだけではなく、それによって最大の結果を出さなくてはいけない。
最高のパフォーマンスを発揮できるのかどうか。
こういう議論を重ねることが、チーム内の安心感を醸成し、お互いの関係性を良くしていくことに繋がるだろう。
昔は社内での会食や飲み会もあったが、リモートワークが普通になれば、そういう時代ではないというのも確かだ。
オンライン飲み会も、最初こそ流行ったが段々と廃れてしまった。
一方で、人間の本能として、一緒に食事を重ねた人ほど、関係性が深くなっていくのも確か。
究極だが、家族であれ職場であれ、「人間関係をどうやって構築していくか」というのは、これからの時代の人生のテーマなのかもしれない。
寿命が100年と言われているこの時代、お金は確かに必要であるが、これから「社会関係資本が必要だ」とも言われている。
人同士がつながることで、困った際にお互い様で何とかするということだ。
こういうネットワークの中に入っていることが大切である。
一方で、こういう輪の中に入る難しさもあったりする。
会社の中で「我関せず」で働いている人もいるが、今後は益々1人で出来る仕事が限られるので、チームで働かざるを得ないだろう。
コミュニケーションが苦手な人にはしんどい部分もあるかもしれない。
しかし、全員と仲良くする必要はない。
チームの中で迷惑をかけない形で、上手に、そして最低限のコミュニケーションを取れればと思う。
大変な時代になったものであるが、社会全体が変化していることは間違いない。
自分自身、意識を持って変化していくことを、肝に銘じているつもりだ。
変化できなければ、生き残れないのだ。
そういう覚悟で、新しい時代に合わせていくことを心がけている。
(2024/5/31金)