安井浩一郎のレビュー一覧

  • 独占告白 渡辺恒雄―戦後政治はこうして作られた―

    Posted by ブクログ

    「たかが選手が」発言に代表されるように、読売新聞や巨人軍を意のままに操り、老害の代表のように見られているナベツネ。正直、悪いイメージしかなかったが、この本を読んで大きく印象が変わった。
    大野伴睦、田中角栄、河野一郎、中曽根康弘といった歴代の総理、実力者にことごとく認められ、ブレーンとして政治のど真ん中で自ら意思を持って政治や外交までを動かしたまさにフィクサー。その根底には、戦争を二度と繰り返さないという強い信念があり、誰よりも勉強し深い洞察に裏打ちされた思想家でありまさに巨魁。保守で右寄りと見られがちだが、政治指導者や軍人の戦争責任を厳しく追求し、総理の靖国参拝に反対するなどリベラルな側面を併

    0
    2025年02月08日
  • 独占告白 渡辺恒雄―戦後政治はこうして作られた―

    Posted by ブクログ

    大物感がありながらプロ野球に関して問題発言した人と言うくらいしか知りませんでしたが、この本を読んで自分はどれだけ戦後の歴史を知らなかったのかを思い知らされました。

    戦後の政治家の多くは、思想的なイデオロギーだけでなく、自身の戦争体験に基づく自分自身の哲学をもっていましたが、戦争を経験した多くの日本人が持つある種の共通の価値観や共通基盤と言えるものだったと思います。
    渡辺氏が政治的にも強い発言力を持っていた背景には、渡辺氏と意気投合する政治家たちが、戦争を体験した多くの日本人の琴線に触れる何かを持っていたからと言う話には非常に納得です。

    また、子供のころはただのおじさんたちと思っていた政治家

    0
    2024年11月17日
  • 独占告白 渡辺恒雄―戦後政治はこうして作られた―

    Posted by ブクログ

    有名だけれどもよく知らない人、ジャイアンツのオーナーで過去に凄い実績のある人くらいの認識だった。

    インタビューを元にしているので、多少は盛られていると想うが、NHKのインタビューを元にしており、ヨイショで終わる物ではない。

    印象的なのが、戦争を否定して、戦争の悲惨さを伝えることに尽力したとのこと。これまでの政界の大御所とのかかわり、戦後史もわかり参考になった。

    亡くなった祖父母が、外国の戦争ニュースを観ては、私が戦争のない時代に生まれて本当に良かったと言っていたことを思い出した。

    0
    2023年07月17日
  • 独占告白 渡辺恒雄―戦後政治はこうして作られた―

    Posted by ブクログ

    戦争体験に基づく理念や現実主義的思考が、戦後日本社会の共通基盤となっていたことを認識するとともに、戦争を体験していない自分たち世代が、歴史から何を学ぶべきかを考えさせられた。

    0
    2023年02月02日
  • 独占告白 渡辺恒雄―戦後政治はこうして作られた―

    Posted by ブクログ

    少し前に亡くなったニュースで、NHKのロングインタビューが書籍になっていると知り、読んでみた。プロ野球・巨人のオーナーとして、我儘に見える発言を繰り返す姿に、嫌な印象しかなかったが、どうも話が違うらしい。この本を読んでよかった。

    読売新聞の主筆として、自民党に近い保守で、右寄りの考えかと感じていたが、ここも少し違ったと知った。原点は自らの戦争体験で、軍国主義と戦争を憎悪し、政治指導者や軍人の戦争責任を追求し、総理大臣の靖国神社参拝には反対するなど、「リベラル」な側面を持つ。憲法改正を唱えていたのは、平和と真の独立を求めたということか。

    戦後は共産党で、天皇制打破を目指して活動したという。し

    0
    2024年12月29日
  • 独占告白 渡辺恒雄―戦後政治はこうして作られた―

    Posted by ブクログ

    これまで渡辺恒雄氏の事をメディアのドン程度のイメージしか持ち合わせていなかったので、この書のおかげで同氏への印象が一変した。今の時代には受け入れ難い存在であるものの、戦後政治においてはまさにフィクサーという言葉がよく似合う。

    0
    2024年12月29日
  • 独占告白 渡辺恒雄―戦後政治はこうして作られた―

    Posted by ブクログ

    表紙と人物だけで、読まずに手に取った書籍。

    渡辺恒雄さんは、読売新聞の主筆。それと同時に、新聞記者の枠を超えるその時々の政治に深く関与した、保守系の大物である。

    その渡辺恒雄さんにインタビューを試み、原点である戦争体験、敗戦、そこから新聞記者と政治活動をしょいこみ、全力で駆け抜けた渡辺恒雄さんの生き様を詳細に記している。

    表面だけでは見えない、政治家の裏側、密約、裏切り。時の権力ある政治家に入り込み、裏から政治を操る手法、それに自らの仕事を絡ませて読売新聞のトップにまでたどり着いた。戦後の混沌とした時代だからこそ、できた芸当なのかもしれない。しかし、時代背景だけでは語れない、芯の有る新聞

    0
    2023年11月26日
  • 独占告白 渡辺恒雄―戦後政治はこうして作られた―

    Posted by ブクログ

    政治記者の枠を大きく超えて戦後の保守政治に深くかかわったナベツネのインタビューを軸に関係者の証言をまとめたNHK番組をもとにした一冊。読売新聞に取材OKを出させたNHKプロデューサーの仕事に感服。現在の政治に対する危機感や歴史の舞台裏を後世に残すべきと考えたナベツネを動かしたものと思う。

    0
    2023年06月02日
  • 独占告白 渡辺恒雄―戦後政治はこうして作られた―

    Posted by ブクログ

    正直言って「読売のドン」の印象が先行して、横暴かつ独裁的な存在としか認識していませんでしたが、戦争を体験した世代にしか語ることのできない数々の言葉に考えさせられることばかりでした。と同時にこれからの政治が何を基盤に動いてゆくのか、不安になりました。

    0
    2023年05月05日
  • 独占告白 渡辺恒雄―戦後政治はこうして作られた―

    Posted by ブクログ

    『ナベツネ』の名は、報道などでは恐怖や畏怖をもって使われることが多く、旧社会の象徴のような雰囲気をまとっている。しかしながら本書で直接、本人から発せられる信条は、戦争に対しては断固反対、先の戦争を全く評価していない。マスコミ人でありながらパブリックイメージは異なるものであることが衝撃。
    良し悪しも、好き嫌いもある人物ではあるが、もう少し知りたくなった。

    0
    2023年07月01日