玉川重機のレビュー一覧
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【あらすじ】
内海草子(うつみそうこ)は本を読むのが好きで好きでたまらない中学生。いつも本を読んでいて、本の中の世界にひたっている。内気で、他人と打ち解けるのが苦手な草子にとって、古書・青永遠屋(おとわや)の店主は良き理解者。読んだ本の感想を描いた草子の「ブックガイド」が、店主を喜ばせ、さらには周囲の人々に本を読むことの素晴らしさを伝える。濃密な絵柄で、読書の魅力を最大限に表現する。
東京の小さな古書店・青永遠屋(おとわや)に、楽園を見つけた少女・内海草子。どこにも居場所がなかった草子が、青永遠屋を通じて出会った本を、ひたむきに読み解くことで、徐々に人々や世の中と結びついていきます。この作 -
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活字読み、漫画読み、どちらもハッとさせられる一冊
面白い、ではないな、この『草子ブックガイド』は
もちろん、漫画としての面白さがあるのは確かなのだが、面白い、と感じる以前に、言葉にし辛い静かな衝撃が、外側からぶつかってくるのでなく、内側でいきなりに起こる
この言い方が適切ではないと思うが、玉川重機先生の『草子ブックガイド』って作品なのではなく、玉川先生が内海草子って言う、変哲のない、ただの本を読むのが好きな少女の日常を漫画と言う形で、私たち読み手に伝えてきてくれている、そんな印象を受けた
本を読んで抱く感想は、人それぞれに違う、そんな当たり前の事を思い出せる
そんな一方で、草子の環境が影響して -
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本をおいしそうに食べている様子が魅力な、第3弾。
今回題材となったのは、以下の“本”たち。
雨月物語
百鬼園日記帖
イワンの馬鹿
ハローサマー、グッドバイ
新しい人よ眼ざめよ
荒野のおおかみ
これらを軸とした同級生や先生たちとの交流を糧に、
しなやかに伸びていく草子がみずみずしく。
そんな中での、自身の状況と照らし合わせての
自作の「ブックガイド」が染み入ってきます。
“自分に期待しないで誰に期待するんですか”
そして、草子にとっての一つの別れが、描かれています。
哀しいけれど前向きな、そして大切な思い出としての。
“本に…会いに行くために…私は強く…
強く…な -
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主人公は家族に恵まれない中学生の女の子、内気で本好きなのですが、
彼女がとある“罪”を犯すところから、物語は始まります。
一見すると、本読みにとっては許しがたくもある、その罪とは?
そして“罰”として、周囲の大人たちが与えたものは?
『新訳ロビンソン漂流記』
『ティファニーで朝食を』より「ダイヤのギター」
『ボッコちゃん』
『一千一秒物語』
『山月記』
『山家集』
ガイドの題材となるのはこちらの本たち、なかなかに幅広いのが興味深く。
ただひたすらに、“本”への愛がつまってると感じる内容です。
主人公・草子を通して語られる“ブックトーク”、
その物語が持つ“宝物”を紡ごうとし -
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ネタバレ待望の第2巻。草子ちゃんが1冊1冊の書物を読み解く事で、ダメ親父を初めとする身近な人々、そして誰よりも自分自身と正面から向き合い大人への道を歩んでいく姿を見守るうちに、心が穏やかに研ぎ澄まされるような思いで満たされていきました。
個人的には、草子ちゃんがブックガイドを通じて読書家の同級生との友情を育んでいくエピソードにほっとさせられました。1巻のブックトーク回に登場した潮崎くんも思いがけない形で再登場しています。
もちろんいつもの青永遠屋の面々とのやり取りも健在。揺れる思春期の心を支えて引き上げ、そっと背中を押してくれる店長のいぶし銀な言葉に憧れます。店長自身も草子ちゃんとの交流で生きる力を取 -
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玉川重機先生のモーニングでの連載作品第2巻。
本を読みたくなる漫画であると同時に、本を読んだ感想を誰かに伝えたくなる漫画でもあります。
基本的には1話ごとに1冊の小説を取り上げて、草子がそのブックガイド(感想文と推薦文が混ざったモノ)を書く。その感想を誰かと共有することで草子と周りの人々のつながりが深くなっていく。
第二巻では「老人と海」や「銀河鉄道の夜」「月と6ペンス」といった小説が取り上げられています。
第一巻から引き続き小説のくくりの中で様々なジャンルからしっかりとした名作を選んできています。本当に玉川先生は文学がお好きなんですね。そして毎回読んでいて素晴らしいと感じる部分は、現実世界