エリンフラナガンのレビュー一覧

  • 鹿狩りの季節

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    ネタバレ

    更年期を迎え、様々な症状に苦しんでいるアルマ。
    夫クライルの親の介護のため、数年前にシカゴからネブラスカ州の田舎町ガンスラムに移り住んできた。

    いわゆるシティガールのアルマ、越してきた当初はこのスモールコミュニティに馴染もうと努力するが、元来の歯に衣着せぬ物言いや、生産性のない物事はすぱっと断ずる性格から、どちらかというと次第に周囲から浮く存在に。

    クライルとアルマの間には子どもはいないが、もうほとんど彼らの息子同然という関係を築いているのが、クライルの営む農場で雇っている知的障がいを抱えるハル。
    ハルの両親は毒親で、父親は服役後離婚し行方知れず、母親は2歳のとき、ハルがビーチで水難事故に

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    2023年09月02日
  • 鹿狩りの季節

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    ネタバレ

     レビューが意外に辛口なんですが、私は楽しませてもらいました。

     鹿狩りの季節に一人の女子学生の行方が分からなくなる。単純な家出と思われていたが、時間はどんどん過ぎていく。

     この事件を彼女の弟と知的障害がある青年の保護をしている夫婦が調べていくというのがあらすじ。

     何故、彼女は消えたのか、死んでいるのか、生きているのかとミステリの必要な基本は押さえていると思います。

     小説としても面白かったけどなぁ。感じ方は人それぞれなので。

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    2023年03月06日
  • 鹿狩りの季節

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    ネタバレ

    アメリカの作家、エリン・フラナガンのデビュー作。

    ネブラスカ州ガンスラムに暮らす女子高生ペギーが行方不明になる。家出か事件か。一方、障害を持つ男性、ハルを我が子のように思う中年夫婦は、ハルが運転するトラックに血の跡と凹みを見つける。

    所謂、スモールタウンもの。非常に息苦しさを感じる作品。
    視点は三つで、中年夫婦のアルマとクライフ、ペギーの弟のマイロ。特にアルマの視点が多いのだが、このアルマの性格が悪すぎて受け付けない人がいるかも。我が子のように思うハルに対する差別に颯爽と立ち向かう母、なんだろうけどあんまりにも意地悪おばさんすぎてちょっと。。。マイロの成長譚として見ると非常に良いのだが。。

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    2023年11月25日
  • 鹿狩りの季節

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    小さな街で発生した少女の失踪事件。人間関係を静かに丁寧に重く書き綴ったミステリー #鹿狩りの季節

    ■あらすじ
    アメリカの田舎町、鹿狩りの季節に女子高校生の失踪事件が起きた。当初家族たちはすぐに帰ってくるだろうと高を括っていたが、いつもいがみ合ってた弟が心配し始める。
    一方近くに住む家畜農業を行っている夫婦は、発達障害のある青年と同居をしていた。夫婦は彼のトラックに鹿狩りの血が付いているのを見つけ、不審に思いながらも掃除をするのだった。

    ■きっと読みたくなるレビュー
    80年代アメリカの田舎町。近所の人たちはみんな知り合いで、気心も、誰が誰と付き合っているかも、何もかも知れ渡っている。
    そんな

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    2023年03月15日
  • 鹿狩りの季節

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    ネブラスカ州の片田舎が舞台のミステリー。女子高生の失踪で始まる。知的障害をもつ青年が疑われるが、彼を庇う雇主夫婦、姉の行方を追う弟。町の人々の抑圧された保守的な側面が浮かび上がる。

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    2023年02月04日
  • 鹿狩りの季節

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    16歳の少女ペギーが突然姿を消した。自ら家を出たのか、事件に巻き込まれたのか。知的障害のあるハルが疑われる。町の住人のほとんどが顔見知りという地域での犯人探し。ハルの無実を信じている保護者代わりのコスタガン夫妻。疑う人たちと信じる人たちの諍いや狭い地域であるが故の及ぼす影響の大きさ。ミステリーではあるけどその要素よりも人間関係などの丁寧な描写で読ませる。

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    2023年01月22日
  • 鹿狩りの季節

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    ネタバレ

    今年1冊目のハヤカワ・ポケミス。2022年アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀新人賞受賞作という事で、否が応でも期待値が増します。どなたかも書評されていたように、ミステリー作品としての趣きは少なく、アメリカの田舎町を描いた優れた小説を読んだ印象です。ただ、アメリカ人は、こういう作品を好みそうなので、受賞も頷けるし、個人的にも嫌いでは有りませんでした。
    舞台は、ネブラスカ州リンスラム。鹿狩りが、解禁となった週末に、16歳のペギーが姿を消してしまう。始めは、ただの家出と思われていたが、行方も摑めず、失踪する理由も無い。事故か、はたまた事件に巻き込まれてしまったのか?話は、ペギーの弟マイロの視点、事件への

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    2023年01月13日
  • 鹿狩りの季節

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    マイロの姉、ペギーがいなくなった。夜にこっそり家を出て帰ってこない。家出か、事故か?
    やがて、近くに住む障害のあるハルが殺したのでは、という噂が町中に広まっていく。母親に見放され一人暮らすハルを気にかけている農場主の妻・アルマとマイロの視点でストーリーは進んでいく。

    田舎の町特有の秘密の作れない環境や、障害があるだけで疑われがちなことなどなど、国が変われど同じなんだなぁと感じた。姉を失ったマイロのこれからに、ちょっと希望が持てる。

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    2023年07月09日
  • 鹿狩りの季節

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    1985年11月ネブラスカ州ガンスラム。鹿狩りの季節を迎えた田舎町で女子高生ペギーが失踪。ペギーに好意を抱いていた知的障害のある青年ハルは同じ頃鹿狩りの帰りに血がついたトラックに乗っていて……。→

    ミステリ色は薄め。ペギーの弟マイロとハルの雇用主であり保護者代わりでもあるアルマとクライルのさん人の視点で描かれる物語。
    マイロがいい子なんだよなぁ。終盤の母親とのやりとりとか、もう、ね。幸せになってほしい。→

    アルマはなんというか、読んでいてしんどかった。シカゴから来た愛想のない妻。子供はいなくてコミュニティに馴染まない。ああツライ。
    ハルへの対応やクライルとの関係も途中辛くて、マジ読めるのか

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    2023年06月04日
  • 鹿狩りの季節

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    女子高生の失踪という事件を描いているのですが、ミステリー色はあまりなかったように思う。小さな田舎町の閉塞感が心に残る。濃厚な地域のコミュニティに馴染めないアルマ(私もやっていけないと思います)。子供を持つことの出来ない苦悩も強く伝わってきてこちらまで苦しくなった。クライル(旦那)、あんなに良い人物なのに不倫してしまうところが人間の(男の)弱さなのでしょうか。知的障害者がこういう偏見の強い地域社会で暮らしていくことの難しさとか真相究明以外のことがメインだったように感じました。

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    2023年03月04日
  • 鹿狩りの季節

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    1985年11月、鹿狩りの季節を迎えたネブラスカ州ガンスラムで、1人の少女が行方不明となった……。以上。
    たったこれだけで、なんの手がかりもなく3/4ほどを読ませてしまう豪腕である。田舎町ゆえの、開放的なのか閉鎖的なのかよくわからない空気感や、疑心暗鬼に陥る人々の心理描写が巧みだった。ただ、おもしろかったかというと、微妙な感じである。少なくとも期待していた“ミステリー”としてのおもしろさではなかった。
    2022年度アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀新人賞受賞作。

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    2023年01月24日