『あなたがどれだけ親身になってくれるかを知るまでは、あなたにどれだけ知識があろうと誰も気にかけないものだ。』セオドア・ルーズベルト
この本は大きく2部に分かれていた。
1部では、より良いコミュニティがなぜ必要なのかと、それを形成するためには特にリーダーはどういう心持ちであらねばならないかについて書かれていた。学ぶことが多い内容だった。
コミュニティは解放され、団結され、困難に立ち向かう時によりよく、この本でいう「ウェルビーイング」がもたらされるなどあったが、特に強調されるべきなのは、人として尊重され、尊敬され、率直さを感じられた時に、その人に、またはそのコミュニティに対して良い感情を抱くということだ。
一言でいうならば、リーダーはコミュニティのメンバーに対して、「親身になる」ことがとても重要だと言える。近年、あらゆるコミュニティで成果や効率が最優先事項とされ、人間として生きることのとても大切な部分が抜け落ちているのではないかという指摘通り、人間は人間として尊重されることが実は何よりも代え難い大切なものなんだと、この本を通じてより強く感じることができた。今こそ原点に帰るべきだし、リーダーという立場なら自分が率先してコミュニティの人同士が尊重できる場を作ることに専念することが何よりも重要になるだろう。相手の心に寄り添うこと、私はあなたの味方だと宣言し安心させること、そのために礼儀を重んじること、謙虚、正直であること。基本的な人間関係が、人を信じることが、今までに得られなかった大きなものを共に手に入れるチャンスなのである。
また面白いと思ったのは、ふれあいこそ絆を強めるということだ。肩を組んだり、背中を現実に叩いて触れ合う瞬間は、人を励まし、信頼を呼び、帰属意識を強めることがわかっている。
そしてコミュニティ間の信頼があれば、実は生産性やスピードも早めていくことが分かっている。
人と直接ふれあい、みんながみんな尊重され、信頼し、居場所となれるコミュニティ作りは、大変だが非常に意義のあることだ。そんなコミュニティを作って行こう。
2部ではそのためにコミュニティを構築していく人たちが何を意識するべきかについて書かれていた。その人は、常に自己認識のための努力を怠らず、エクササイズで幸福感や認知能力を高め、メンバーと積極的に食事を共にし、よく眠り、逆境をチャンスと捉え、誰よりも前を向くことを徹底している。