大塚ひかりのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ジェンダーギャップ指数後進国の日本。そして、家父長制、男尊女卑、セクハラなど枚挙にいとまがない男性優位社会が続く日本。2023年統一地方選挙で女性議員は多少増加したが、古代や中世では多くの女性が執政を司り、男女はほぼ同権であり、夫婦別姓は当たり前で、女性が優位であった事も伺える。著者は、日本の古典を丹念に読み解き、日本はかつてジェンダーレスであった事を検証する。また、古来より「性に対する寛容さ」は一貫して変わらなかったとし、「性に対する寛容さ」とは無責任な性関係ではなく、「性を大切なものととして重視」していたからではないだろうか。本書は、古典の調査という事もあり、当時の上級社会の手記、書物か
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Posted by ブクログ
日本はジェンダーギャップ指数116/146位という極めて低い順位にある。
特に経済、政治での指数がそれぞれ121、139位(出典:男女共同参画局 2022年)であり、先進国の中では最低ランクである(この順位で先進国と言えるのか)。
多少変わってきたとは言え、まだまだ伝統的家族、だとか男は男らしく、性別分業など、前時代の遺物が多くの人を苦しめる。
じゃあ、日本ってそもそもどんな国だったの?
それを古典を用いて社会を見るという手法を取ったのが本書。
なるほどと思ったのは日本語には男性名詞女性名詞がないという指摘。
著者はそこに性の曖昧さを見る。
直結するかは別議論としても、男女が曖昧というのはい -
Posted by ブクログ
全体として著者の主張が強い気がするが、一部の保守派による「伝統的な」日本観に対するアンチテーゼとしてだけでなく、その価値観をなんとなく真実として疑いもせずぼんやり過ごしてきた私たちの目から鱗を落とすには充分すぎるほどショッキングな歴史資料の数々である。
江戸時代の影間などは知っていたが古代からの女性の地位の高さやそれが衰退していった社会構造の変化が面白かった!
子殺しや強姦に対する記述は気分が悪くなるものがありジェンダーレスな前時代の日本を礼賛するのではなく暗の部分もちゃんとかいてバランスをとり後書きで気持ち良くまとめてくれている。年表もおもしろい。 -
Posted by ブクログ
古典や史料に基づき、近代以前、特に古代の女性の地位が現在よりも高く、再婚・離婚も自由で性に関する考え方も緩くおおらかであった事を著述。女性に相続権や財産権が広く認められていた女系社会の特徴がよく現れているという(であるから、武家社会が本格化し、男系社会への移行と家の存続のためにの長子単独相続制が主流となる鎌倉中期以後は女性の地位の低下が見られる)。
また、現在のLGBTQに見られるような性の多様性も西欧社会と比較して広く認められていた(男色の一般化、女装・男装への抵抗感の低さ)。
しかし、一方、身分の低い者や弱い者(子どもや女性)が性の被害者になる事も当たり前のようにあり、子は親の所有物、下男 -
Posted by ブクログ
<目次>
はじめに 日本の文芸はジェンダーレスであふれている
第1章 男女の境があいまいな国~男も出産、女も立ちション
第2章 むしろ女が優位だったかもしれない太古・古代~政治も経済も男女同格
第3章 男女別姓、核家族、シングルマザーだらけの古代・中世~「伝統的な家族」とは
第4章 性を重視すると、結婚観はゆるくなる~二度三度の離婚や再婚は当たり前
第5章 LGBTもすべて認識されていた前近代~盛んな男色に宣教師もびっくり
第6章 女々しい男、雄々しい女~男も泣くべき時に泣くのが日本の伝統
第7章 軽んじられた弱者の「性」と「生」~ネグレクトや子殺し、性虐待の多さも
<内容>