草野碧のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
戦時中、零戦や特攻機などの戦闘機を開発・設計していた技術者たちが、戦後、夢の超特急『新幹線』の研究開発を行い、実現させた実話を元に描かれた物語。
「自分が持っている技術を投じてつくった飛行機で、若いパイロットたちが死んでいった。大勢の人が亡くなってしまった」という悔いる気持ちから、「戦いを生み出さない美しくて安全な乗り物を作りたい」と、戦後復興と平和のために、新幹線開発に没頭する技術者達の想いが、心に沁み込み、伝わってきました。
その想いに共感し、一緒に「平和を運ぶ乗り物をつくりたい」と没頭する主人公・聡一の、未来に向かって前を向く姿が、なんだか胸をすっとしてくれるような、爽快で、明るい気持ち -
Posted by ブクログ
零戦を作っていた技術者が、新幹線0系を作る。
タイトルの通り。
が、内容がうっす〜い。
鉄道の技術屋が主人公の小説なのに、
話は技術寄りでもないし、
ホンワカした恋愛要素を軽く混ぜてみたり、
なんか話が軽い。
今回の話は車両設計だけど、それにしても、もっと話を深めるエピソードがあってもいいだろ。
車内信号機化したせいで、線路にATC信号流して時速200kmで受信するのに、当時のアナログ信号でどうやって克服するとか、
車両試験で電車線が切れまくったから急遽ヘビーコンパウンド化したとか、
開通10日後に開業するとか今なら考えられんでしょ。
何でもネタはあるだ -
Posted by ブクログ
ネタバレ武器を作り、人を死なせてきた贖罪の気持ちから、自分たちの技術を平和のために使いたいと思った技術者たちの苦闘を描いたもの。希望が伝わってくる作品である。
極度の近視のために徴兵検査に落ちたことを引け目に感じている19歳の聡一と、満州から引き上げたときの恐怖がトラウマとなっている19歳の寧子の初々しい関係を並行して描く。
当事者ではない助手という立場の若者の視点で描いているため、苦闘の生々しさは薄い。その分読みやすいのは確か。
ただ、寧子が男ばかりの職場に自ら乗りこんだエピソードには違和感を感じた。そこまで欲張らないほうがよかったのではないか。
資料を読み込んで書いたとのことだが、全体的