高野知宙のレビュー一覧

  • ちとせ

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    京都文学賞中高生部門最優秀賞受賞作。いや、この作品を神奈川の高校生が書いたってことに驚きを隠せない。素晴らしい。ちゃんと明治維新後の京都の雰囲気を出してるし(私は経験してないが)、京都のいいところ、悪いところもかけている。主人公の成長も分かるし、お菊や藤之助に稔、ツバメの話も見事に織り込まれていることに感心する。素晴らしい!

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    2024年05月15日
  • ちとせ

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    明治初期の京都舞台に、流行病で視力を失いつつある少女ちとせが、三味線を通じて出会う人々との温かい交流を描いた一冊。三味線の師匠であるお菊さん、ちとせに淡い感情を抱く車屋の跡取りである藤之助と、その親友である稔。この頃の京都は明治維新の直後で、新しい街に脱皮しつつある時期。この変化と、若者たちの変化が重なる巧みな演出。高校生が書いたとは思えない完成度だが、登場人物の関わり方が中途半端なまま物語は終わる。ちょっと残念だけど、作者の今後の作品に注目したい。

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    2023年04月29日
  • ちとせ

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    登場人物たちの考えが、丁寧に文字になっている。京都の美しさも、故郷の懐かしさも、三味線の音色も、人の思いを通して読む。
    ままならない現実があっても、運に恵まれ、己で考え、しっかりと歩みを進めるちとせは、とても可愛らしく、美しく成長していった。
    綺麗な景色を深く息をしながら眺めたような心持ちだった。

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    2023年04月19日
  • ちとせ

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    瑞々しい。目が見えなくなっていく儚さと芸を追求する真摯さとそれを支える様々な出会いが、京の街の天皇がいなくなった新しい時代の躍動とが合わさって、素晴らしい作品になっている。

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    2023年02月19日
  • ちとせ

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    ネタバレ

    明治になってばかりの、天皇さんのいない、京都。京都が京都であることの意味を街自身が探っていたような時代に、新しさと古さが混じった風が吹く。そんな小説だと感じました。

    三味線弾きとしての、江戸以前の一般的な道を行かず、お菊という女性の三味線に感動してその場で弟子入りを志願した主人公「ちとせ」

    時代の変化をうまく掴み、俥屋として繁盛した美濃屋の息子藤之助

    訳あって親のいる東京に帰れず京都に住んでいる、武家の息子であった稔

    新しさと古さの狭間で揺れ動くさまは、風に翻弄される桜の花びらのように儚く、哀しい。それを自覚し、寂しさに打ちひしがれ、もがき、苦しむ若人たち。しかし、その花びらは、美しく

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    2023年01月14日
  • ちとせ

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    幕末後の京都、親元を離れ、視力を徐々に失っていく病気のちとせさんが、三味線とともに成長していく、、、お話(?)。

    時代の変化、町の変化、心の変化、目の変化が、季節の情景とあわせて巧みに表現されているなぁ、ありありと描かれているなぁ、と思いました。

    そして、この作品を書いた作者の方が17歳(当時)と聞いて、ものすごいなぁ、と感心しました。

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    2025年05月06日
  • ちとせ

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    高校生の作品ということで、どんな瑞々しい小説なのだろうとワクワクしながら読んでみたら…
    いい意味で裏切られ、度肝を抜かれました…

    なんという落ち着き、深み。
    登場人物の一人一人の人生が滲み出るような物語を、本当に高校生が書いたのですか???末恐ろしい。文体もとても読みやすかった。

    三味線や歴史の専門家や、関西弁ネイティブの人たちからしたら軽めな印象を持つのかもしれないが、幸い(?)私はあまり詳しくないので心地よく読めました。

    三味線の音、ちとせの表情が伝わってくるようです。

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    2023年11月27日
  • ちとせ

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    京都の澄んだ空気が届いてくるような文章に心地よさを感じました。
    登場人物もとても優しく、温かく、とても魅力的に感じました。

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    2023年08月12日
  • ちとせ

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    いやはや何とも…衝撃的な高校生⁈当然、大人の男女の機微など体験でなく創作だろうけど、ヒトを知り尽くしたような心理描写といい、まるで住んでいるような色付きで目に浮かぶ古都京都の描写といい、脱帽。喧騒とした渋谷の街に通いながら想像の翼広げたのかー。最初、文章のリズムに乗れない部分あったが、背伸びで無理したのかな。京都愛も充分で、京都文学賞も当然。ただ、一方で人生経験を深めなくても、AIも感動的な小説書けるんだろうなと、納得してしまった…。

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    2023年02月23日
  • ちとせ

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    私は気になった本をスマホのメモに入れているのだが、この本をなぜメモしたのか思い出せない。でも、たぶん、某BSの本の番組だったと思う。
    なんと、「大幅な加筆」とはあるが、高校生の作品とはびっくり。しかも京都の高校生じゃないまちい。
    読みやすく、京の情景がなんとなく浮かぶような、悲しい中に、希望がもてるような素敵な作品でした。読めて良かった。

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    2025年01月19日