ケヴィンデイヴィスのレビュー一覧

  • ゲノム編集の世紀 「クリスパー革命」は人類をどこまで変えるのか

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    ゲノム編集について知るべき事柄がこの本でしっかり習得できる。
    ノーベル賞を取ったダウドナ&シャルパンティエの-CRISPRーCas9発見まで、そしてフェン・ジャンによる哺乳動物への導入と両サイドの特許をめぐる長い争いも詳しい。
    ゲノム編集ベビーを誕生させたフー・ジャンクイによる衝撃的事件についても詳細を知ることができる。
    最終章では、この技術が倫理面でどれほどに難しいものかをも既に始まった技術導入の具体的な内容のレポートで知ることができる。

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    2023年01月10日
  • ゲノム編集の世紀 「クリスパー革命」は人類をどこまで変えるのか

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    ネタバレ

    なかなかの大部だが、著者の経歴(Nature Geneticsの初代編集長)もあり、非常にわかりやすい。関係者に対するインタビューも詳細だし、論文発表の先陣争いの裏側なども臨場感がすごい。

    前半はCRISPER配列の発見から、ダウドナとシャルパンティエ、フェン・チャンらのノーベル賞争い、特許争いの様が描かれる。かなりマイナーな人にも十分なインタビューをしており読み応えもある。
    中盤は賀建奎によるCRISPERベイビーの話が中心。これも突然発表された話だと思っていたが、業界内では随分前から話題になっていたことらしい。
    「犯罪行為というものは起きるものだ。法律によって禁止されているにもかかわらず、人々はたがいに殺し合う」というように、すでにできることが分かってしまった以上、大富豪や独裁者など、ルールを無視してこの技術を自分の子に適用しようとする者が現れることは止められないだろう。本書でも釈放されたばかりの賀建奎のもとに、ドバイの生殖クリニックから誘いがかかる場面が暗示的に描かれている。

    ・しかし今後、あらゆる生殖細胞系列編集に対して否定的な考えを抱きそうになったら、安全性にまつわるひとつの重要な問題を思い出そう。大人で体細胞遺伝子編集をおこなおうとしたら、たいていの場合、一億個以上もの細胞のDNAを改変しなければならないのだ。「そのひとつひとつに対して、CRISPRを個別に働かせなければならない。そのため、そのうちの一個の細胞で、CRISPRががん抑制遺伝子を誤って改変してしまう可能性は十分にある」と臨床ゲノム編集会社を共同設立したジョージ・チャーチは警告している。細胞の増殖過程でそのようなことが起きたら、深刻な結果が生じることになる、と。「これに対して、受精卵をCRISPRで編集する場合は、CRISPRを一個の細胞だけに働かせればいいため、がん抑制遺伝子を改変してしまう可能性は推定上、一〇億分の一になる。それのどこが、より危険なのだろう?(13)」

    ・コロンビア大学の遺伝学者ロバート・ポラックは、彼らの勧告は不十分であり、優生学への扉を開けるものだと主張した。「配偶子の段階で高額な投資をしてもらえないまま、生殖細胞系列編集が存在する世界に生まれ出てきた子供たちの苦痛を、世界で最も裕福な人々が取り除いてあげることはないだろう」とポラックは書いている。生殖細胞系列の編集は完全に禁止しなければならない。

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    2023年08月14日
  • ゲノム編集の世紀 「クリスパー革命」は人類をどこまで変えるのか

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    ノーベル化学賞を受賞したCRISPRによるゲノム編集の功罪をドキュメンタリータッチで綴った一冊。
    特にニュースでも大きく取り上げられ世界中で大きな非難が沸き起こった、若い中国人研究者による人体へこの技術を使い、双子の誕生という事態になった部分は、その衝撃が文章からも熱量高く伝わってくる。
    パンドラの箱を開けてしまったと言われるこの暴挙は、しかしながら知らないところでさらに進んでいるかもしれないし、「デザイナーベイビー」として進んでしまうのか、恐怖すら感じる。
    世界で倫理観の共有は中々難しいのかと考えさせられる。
    宗教など色々な要因もあるかも知れない。

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    2023年07月29日
  • ゲノム編集の世紀 「クリスパー革命」は人類をどこまで変えるのか

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    見事なドキュメンタリーであった。
    クリスパーとは、そして遺伝子編集とはなんぞや、というところから特許紛争そして倫理的な問題に至るまで、非常に分かりやすく解説されている。所々で登場人物のキリスト教的価値観が顔を出すのも面白い。
    遠い将来にこの本を読んだ人が、「昔はこんなに保守的だったのか」と驚く日も来るのだろう。
    素晴らしい発明も使いかたによっては毒にも薬にもなる。今後の科学がどのように人間を、植物を、動物を、そして地球を変えていくのか、それもまた楽しみだ。

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    2024年12月04日