吉田凞生のレビュー一覧
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ネタバレ読んでる感じは確かにあるんだけど、確かに迫ってくるものはあるんだけど、実質的なものを伴わない、浮遊する感覚がが故に、それを得ようと繰り返し繰り返し読みかえす。なかなか読みすすまない(笑)とりあえず頭じゃなく感じることだけを頼りに読み終わる。で年譜、吉田ヒロオさんの解説を読むと「名辞以前」という中也の詩に脈々と流れる考え方が紹介されており納得。言葉という形をなす前の心象を描くことで心へ直線に語りかけてくるんだから言葉を追って理解しようとしても無理なはずである。
‥そのインパクトとしてある彼岸と此岸を往き来する浮遊感は時にモノクロであり時に色彩ゆたかな天然色だったりする。とても感覚的で、どの詩が良 -
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浦野所有。
悲しく、暗い、中原中也の世界をぜひ。
<詩集『山羊の歌』より「汚れつちまつた悲しみに」>
汚れつちまつた悲しみに
今日も小雪の降りかかる
汚れつちまつた悲しみに
今日も風さへ吹きすぎる
(略)
汚れつちまつた悲しみは
なにのぞむなくねがふなく
汚れつちまつた悲しみは
倦怠(けだい)のうちに死を夢む
キーワードはノスタルジーなんでしょうか。それとも過去との決別なのか?
中也は何を詩に託したんだろう。
<詩集『在りし日の歌』より「初夏の夜」>
――色々のことがあつたんです。
色々のことをして来たものです。
嬉しいことも、あつたのですが、
回想されては、すべてがかなしい -
Posted by ブクログ
平素詩など読んだことはないのですが、
・鎌倉熱に浮かされて
・いつだかのレビューに「思えば遠くへ来たもんだ」と書いて、
そういや中原中也のフレーズだよねとふと思った
という2点をきっかけに読みました。
元々不慣れなので、正直「詩を読む」という行為そのものが
ちょいとこっぱずかしかったです。
それでもやはり「汚れつちまつた悲しみに……」に代表される、
一度きいたら忘れられないフレーズが多くありました。
「思へば遠くへ…」の在りし日の歌は、もう少し時を経ないと
真骨頂が分からないかなーと。
今まで軽い気持ちでフレーズ拾ってすみませんでした。