リチャード・ラングのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
読書チャンネルを運営するYouTuberさんがお勧めしていたので、手にしてみた。
何らかの形で犯罪が描かれている物語が十篇。
舞台は文化や風景に馴染みのないアメリカだけども、どうしてか一篇ごとに胸を打たれる。むしろ、主人公に自分を投影しちゃって、読みながら苦しくもなった。
その理由は最後の一篇を読み終えて、解説を読み出した時、唐突に出てきた涙ではっきりした。
「なぜ今のようにしか生きられないのか、なぜ自分が最も望まない形でしか生きることができないのか、そんな思いを抱えている人にこそ読んでもらいたい一冊である」という解説者の言葉に心の蓋を開けられてしまった。
この短編集には、苦しくとも -
-
Posted by ブクログ
人々の日常生活の隣にある犯罪がリアルに伝わる… 絶望や不安の中にも希望あれ #彼女は水曜日に死んだ
■きっと読みたくなるレビュー
あまり恵まれない環境の人々が、望まれないながらも犯罪に関わってしまうクライムミステリー。
全10編からなる短編集で、スラム街に住む女性、死刑囚の看守、ギャンブラー、麻薬に手を染めてしまった人など様々な立場の目線で語られていく。
派手な展開や謎解きの要素は少なめの純文テイストの文芸作品といった趣き。文章ひとつひとつが綺麗で、作者はもちろん訳者の筆力がほんとに素晴らしい。
どの作品も登場人物たちの静かな叫びが、読者の胸にゆっくりナイフを刺してくる。恐怖感と悲壮感が