三枝暁子のレビュー一覧

  • 日本中世の民衆世界 西京神人の千年

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    京都・西京神人に焦点をあて、現代へと続く千年の歴史をたどる一冊。垣間見える中世民衆社会の一端が興味深く、その生業や祭祀の在り方を変化させながら、近世・近代における共同体の危機を乗り越えていく様相が面白かった。

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    2024年05月16日
  • 日本中世の民衆世界 西京神人の千年

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     「神人」という存在は、網野善彦の著作など中世史の歴史本を読んで知ってはいたが、本書では、中世京都の「西京」とよばれる地域に生き、麹業を営みながら生きた「西京神人」の歴史が叙述される。

     その歴史の概略は、次のようなものだった。
     西京神人は北野天満宮と結び付いていたのであるが、酒麹役の免除が北野天満宮の「神役」を納めることとセットで室町幕府の義満の代に認められ、さらに義持のときに麹業の独占付与の特権が与えられた。
     この背景には、平安時代には始まると言われる当時衰微していた北野祭が義満政権期に再編されたが、それに西京神人が鉾の準備と費用負担において大きな役割を果たしたことがあるとされる。

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    2024年08月01日
  • 日本中世の民衆世界 西京神人の千年

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    <目次>
    はじめに
    第1章  「西京」の成立~中世京都の空間
    第2章  生業の展開
    第3章  北野祭と西京神人
    第4章  神供奉納と麹業~画期としての「文安の麹騒動」
    第5章  武家被官化と戦乱~中世末期の西京神人
    第6章  神職と麹業~近世の西京神人
    第7章  神仏分離を越えて~近代から現代へ

    <内容>
    北野天満宮に奉仕していた西京神人たち。酒屋と麹業を兼務していたが、室町時代から麹業が圧迫され、結局はその仕事は剥奪されていく。一方で、北野天満宮への奉仕は継続し、戦国期には武家被官化していく。今は「瑞饎祭」を支えている。このことはわかったが、京都中世の民衆としての部分は、ちょっとわかりにく

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    2023年06月16日
  • 日本中世の民衆世界 西京神人の千年

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    中世から現代までの西京神人をテーマに、歴史学のみならず民俗学的側面からアプローチしている。西京や御土居の地図を見ながら読むと楽しい。

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    2022年10月03日