松田崇弥のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
"この国のいちばんの障害は「障害者」という言葉だ。"
"障害は、「障害者」にあるのではない。社会の方にあるのだ。資本主義社会の仕組みが「健常者であること」が前提のものとなっていて、社会変革やテクノロジーの進化が追いついていないため、やむなく障害が生じてしまっている。"
確かに、視力が低くてメガネなしでは生活できない人も一般的には障害者と扱われていないことからして、「障害者は社会側が規定している」側面があることに気付かされた。
"ヘラルボニーが開拓している市場は、プロダクトでもインテリアでも、ライセンスでもアートでもなく、「思想」だというこ -
Posted by ブクログ
約1年前、初めて盛岡のマザリウムで初めて「ヘラルボニー」というものを知り、なんじゃそりゃ?ってかアートがある部屋値段高ぇな……と思った自分。
それから1年弱、ヘラルボニーのアートを知り、なぜか心揺さぶられるようになった自分。
この変遷に我ながら驚き、創業者である松田兄弟がベンチャー界隈では有名であることを知り、本書を購読。
ヘラルボニーの取り組みが社会的に素晴らしいことは疑いようはなく応援しているが、自分がヘラルボニーのアートに魅了されている(そして最近ついにグッズを買ってしまった)のはおそらくそれが理由ではない。
本書でも語られているように、異彩作家の方の「人間の加工されていない芯の部分」 -
Posted by ブクログ
COTEN RADIOでヘラルボニー創業者の松田兄弟のゲスト回があり、ヘラルボニーという会社に興味を持った。また偶然なことに、そんなことを伝えてもいなかった私の妻がこの本を買ってきて家で読んでいたので、2つのきっかけで私もこの本を手に取ることにした。
会社概要は前述のラジオでざっくり知ってはいたが、この本では松田兄弟が幼少の頃から結社に至るまでの物語も語られている。生きていく中でどういった想いを抱き形にしていきたいと思ったか、詳細に描かれていて、後半で様々な形になって結実していくところで目頭が熱くなった。
るんびにい美術館の方のコラムが入っているのも良かった。創作をする障害者の方を身近で見てき -
Posted by ブクログ
数年前から、ヘラルボニーという不思議な語感の会社の名前を聞くことが増えてきた。鮮やかな障害者アートをデザインに取り込んで世に発信している会社というイメージである。
『異彩を、放て。』という挑戦的なタイトルと、目を引くカバーデザインが目に飛び込んできたとき、以前からこの会社に興味があり、迷わずに手に取った。一読、とても良い本だった。
本書は双子の松田崇弥・文登さんによるヘラルボニー創業から2022年現在までの軌跡である。お二人の実直な性格がにじみ出る文章に共感と感動を覚えた。私の目を引いた表紙デザインは、知的障害のあるお兄さん・翔太さんの手によるものであるという。
障害者の作品をビジネスで -
Posted by ブクログ
読み物としてよりは、やはりヘラルボニー自体の取り組みが素晴らしいと思う。
知的障がい者に依存した、彼らのような芸術家がいないとできないビジネスというのがとてもいい。
そんなヘラルボニーの軌跡について知ることができる本。
松田さんたちのお話もよいのだが、個人的には「るんびにい美術館・板垣崇志さんが語る」の部分が特に面白かった。この本に称されているような作品について「そのままの水のすごさ」と記されていましたが、まさにその通りだなと素直に感じました。
このような事業がもっと広まって、様々な人がお互いに認め合いながら暮らすことができたら、この世の中も少し生きやすくなるのではないかと思います。 -
Posted by ブクログ
YouTubeのPIVOTというチャンネルで知ったヘラルボニーと著者の存在。その番組は、多様性がテーマだったが、目線は、障害者。障害を抱える兄と双子の兄弟(著者)、本書はその障害者を活かす会社ヘラルボニーの説明だ。
アートネクタイのように、ヘラルボニーでは障害者のアートをファッションアイテムとして販売する。「障害者を売り物にするのか」というくだらない野次もあるらしいが、健常者だって売り物であり、社会は自らを売り物にして成立しているのだから、障害者だって売り物にする。寧ろ、売り物にできなければ、その方が問題だ。現代アートの世界では社会との連動性や文脈が問われるから、障害者というバックボーンは個