藤井翔太のレビュー一覧
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なかなか読み込むのはハードだったけれど、読めてよかった。とてもよかった。
認知行動療法が、近代の科学的アプローチとして
突如出てきたのではないということ。
「仄暗い夜明け前の古代からの前史があったというイマジネーションに勇気をもらった。」という東畑さんのあとがき、本当にその通りだなと思った。
力動的なものと認知行動療法、非理性と理性、
より糸のように組み合わさり、すべてのアプローチに二重性があるということ。
これが絡まり合いながら、時期によって濃度を変え営まれる両眼視の視点。
認知行動療法の見方がだいぶ変わった。
聞くことで心を支援する
この営みの途方のなさに疲れたとき、古代から人間っ -
Posted by ブクログ
ネタバレ【行動認知療法はストア派哲学だった】
認知の仕方、考え方に介入するこで行動の変容を促すような現代の治療法である行動認知療法(CBT)。20世紀ごろから科学的、臨床的に発展してきたこの治療法のようですが、まさにストア派哲学の教えに多くの点で通ずるところがあるということが本書を読んでわかりました。
これまで、マインドフルネスなどは東洋哲学が起源だとの認識が一般的にあったかと思いますが、著者はこの本により、西欧にも同じような考え方の起源があり、またそこから今日の行動認知療法へのインスピレーションを得られるのでは、との動機で本書を書かれたようです。
古代哲学は、医療であったこと。哲学者は、 -
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Posted by ブクログ
話が通じない相手 なんていうと、ろくでもない相手、というイメージになりがち
ネガティブな。
それを克服する方法を教えましょう、というノウハウ本かと思いきや、、、
会話の事例がふんだんに盛り込まれていて、その事例がどうも理解できなくて、
頭の中は??になったけれど、よくよく読むと著者の意図が分かった。
相手と信頼関係(ラポール)を築いて、安心して話ができるようにしよう
次節の押し付けでなく、相手の立場、根拠が分かるまで傾聴しよう
相手が固定観念にとらわれているようであれば、それに疑問を持てるよう促そう
自身も固執することなく違う考えに耳を傾け、自己変革しよう
きわめてまっとう
これらを伝える -
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Posted by ブクログ
ネタバレアメリカ大統領選でも報じられた通り、いろんな場面で分断が大きな話題になっています。SNSでも意見が違うだけで誹謗中傷合戦、こんな場面を目にする機会も多いのではないでしょうか。
そういう強めの言説にうんざりして、もっと穏やかに話せればいいのにと思った時に、この本に出会いました。
内容は、対話のコツや実践的フレーズがレベルごとにごとに書かれています。
特に印象に残ったのは、「論理より感情に寄り添うべし」という点です。人はエビデンスでなく、自分が信じたいもので考えが決まることが多いと書かれています。いわゆる論破とか、証拠を突きつけることは相手のガードを高めてしまい対話には逆効果なんだそうです。思 -
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Posted by ブクログ
極端に異なった思想や考え方を持っている人間と会話をするための「ハウツー本」。具体的な会話の「ハウツー」が紹介されるが、その前提には、「話が通じない」と感じている相手に対する捉え方から変えていく必要があるという。そうした意味で、相手の考え方を理解し、介入するためのテクニックが述べられながらも、一つひとつのテクニックは、自分自身が感じていることや自分自身の考え方も捉え直し続けることが、常にセットになっている。
紹介される技術が具体的なものなので、全体としてまとめるのは難しい。本の中でも繰り返し言われているように、入門から順に、自分の普段の会話を見直し、実際に使っていく中で、一つひとつのスキルに熟 -
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Posted by ブクログ
ネタバレジャンル的には…会話手法本?
日本だとあまり馴染みがないかもだけど、分断が激しいアメリカだと特に実感できる一冊…なのかもしれない。
筆者達の意見は個人的にすごい正しいと思っていて
1.人は事実で考えを変えない。それがアイデンティティに根ざしている場合は特に
2.もし変えようと思うのなら、まず良好な関係を築かなければならない
3.「学習」を通して、私とアナタの意見を細かく掘り下げ合おう
というのが基本骨子かな。あとはそれをどうやって実践するかの流れだと思う。
うん、まぁ、言ってることはこんな感じで正しいと思うんだけど。
筆者の「それお前が言う?」感はすごいんだよな。監訳者も言ってたけど、エピ -
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