岩田明子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
安倍晋三を官房副長官時代から、殺害されるまで取材を続けてきた筆者が、安倍晋三の実像に迫る。 安倍は保守政治家であり、保守的な主義主張を持ちながらも、現実と向き合った判断を下すリアリストでもあった。そのリアリストとしての姿勢が第一次政権での失敗を経て、さらに洗練され、第二次政権の長期政権化に繋がった。 慰安婦問題、拉致問題、靖国参拝、トランプや習近平との外交交渉、天皇の生前退位など、多くの課題もそのような現実主義的判断のもと、取り組み、一定の成果を上げるものもあれば、そうでないものもあった。
全般的に安倍を高く評価する筆者だが、モリカケ問題と桜を見る会については、安倍の驕りと身内への情が事態を悪 -
Posted by ブクログ
「ポストは天からの預かりもの。特に総理大臣はそうだ。私心でポストを求めてはいけないし、私物化すれば何らかの形で自分に跳ね返ってくる。常に公の精神が必要で、国のためになるかを考えて人事を行わないと、必ずどこかで破綻する」という考えを安倍さんは持っていた。
現総理や総理を目指す政治家達に聞かせたい。
また、小泉訪朝の同行時、出発前に昭恵さんに「北朝鮮で殺されるかもしれない。政治家の妻として、覚悟しておいてほしい」と。
その時の日朝首脳会談の控え室で「拉致を認めない限りは、日朝共同宣言に署名すべきではない」と小泉らに大声で訴えたのは有名な話だ。
これほどまでに真剣に、覚悟を持って北朝鮮に対峙する政治 -
Posted by ブクログ
2022年に亡くなった安倍晋三元首相の番記者だった岩田明子氏による回顧録。2002年頃からの担当だったようで、その頃からの安倍元首相の政治活動の歩みを当時の取材内容を振り返る形で記述が進んで行く。
内容としては、普段の報道では伝わって来なかった安倍元首相の考えなどが記されていて、いろいろと評価する向きはあると思うけど、現代においては不生出と言っていいくらいの偉大な政治家だったように思う。
20年に渡り取材してきた対象が突然亡くなり、その死後1年で出版したというところが大きいと思うが、安倍元首相が亡くなったことによる躁状態のようなテンションな感じがする。このタイミングでの書籍としてはこれで良いが -
Posted by ブクログ
安倍くんのことが嫌いだった、っていうかいまでも……嫌いだ。何で嫌いなのかというと、もはや嫌いという思いが先行してか理由づけがちょっと難しいことに気づく。でも、モリカケや桜を見る会といった騒動を思い返すだに、また、国会での品のないヤジといい、やはり「人品卑しからぬ」とはいかない雰囲気を感じていたのではなかろうか。
新興宗教に人生を翻弄された青年の手によってという亡くなり方も自業自得という印象だけど、一方、亡くなったことでちょっと落ち着いて安倍くんのことをとらえてみようという気持ちも生まれた気がする。巷では『安倍晋三語録』が話題になっているが、ヘソ曲がりリベラルな自分としてはこちらの本を読んでみた -
ネタバレ 購入済み
「政治家の評価は」多角的に…。
2023年7月読了。
今、世界は一部分の戦争のせいで、世界的な食糧難、世界経済の低迷、覇権主義の台頭…等、様々な事象が起きている。
そんな世界の中で「日本」と云う国は、どう立ち回れば良いのか、どの様に世界各国と渡り合って行けば良いのか、大袈裟な表現をすれば「夜も眠れぬ…」程不安な社会である。
国情的に、政治的に且つ経済的に安定している国、などは至って少なく、世界情勢に疎い南半球の島嶼国まで、標的にされる時代である。
その事を誰よりも自覚的に知っていた、「地球儀俯瞰外交」の先駆者たる故安倍晋三氏が、もし、今生きていたならば……と、ついつい考えてしまうのは、恐らく私だけでは無いだろう。
最近