ダナ・マッケンジーのレビュー一覧
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因果推論ができるようになるのが子供の頃からというのが重要。ある日突然自由意志をもらって喜ぶのはおかしいから。これは私の敬愛する哲学者の永井均さんの例。僕たちはいつ自由意志をもらったかわからないところで自由意志を得ている。
三段のはしご。観察、行動、反事実であるが、反事実の段階で、善悪がわかっても遅い。おそらく観察段階で、単なるA.I.兵器として使われるだけだ。でも、三段のはしごに分類したことはある程度成功している。
因果ダイアグラムのように視覚化されると、たいへんわかりやすくなる。ただ実践して使えるかと言われれば首を横に振るだけだ。ただ少し図を変形することによって意味合いが変わってくるのは -
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世界屈指の人工知能科学者が因果推論について、過去の事例や著者自身の経験・研究をもとに解説している。そもそも因果推論とはなにをすることか、人工知能の科学者がどうして因果推論について研究することになったのか、因果推論を蔑ろにしていた統計学者などの歴史、一貫して重要性を主張していた因果ダイアグラムの解説などさまざまなことが学べる。
私自身、計量経済学を中心にデータ分析を学んでいたこともあり、もともと因果推論には関心があった。本書でも述べられていたが、伝統的に?計量経済学のほとんどの教科書では因果ダイアグラムを使われることがなかった。しかし、因果ダイアグラムを駆使することで、交絡・コライダー・媒介な -
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『自主的に薬Dを服用した患者の寿命Lの観察頻度は、数学的にはP(L|D)という式で表すことになる。これは、統計学の教科書に出てくる標準的な条件付き確率の式だ。この式が表現しているのは、患者が薬Dを服用したのを見て考慮に入れた場合の寿命Lの確率Pである。P(L|D)とP(L|do(D))ではまったく違うことに注意してほしい。見ること(観察)と行動すること(介入)は根本的に違う。そしてこの違いは、私たちが気圧計の測定値の低下を嵐が来る原因とみなさない理由の説明になる。気圧計の値が下がっているのを見て、それを考慮に入れれば、嵐の確率は上がっていると考えていいが、気圧計の値を無理に下げたとしても、嵐が
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こういう因果推論的感覚というのは、人の性格によって、生得的に身につけているように見える事もある。いわゆる、騙されやすい人とそうじゃない人だ。生贄を捧げている最中に雨が降るとか、何の効用もないサプリを飲み続けていると体調が良くなり、それらが関係あるものと思い込んでしまう。関連性を常に疑うクセがついていると騙され難いが、そういう人生は楽しみが減る気もするので、ある程度のバランスが必要。疑うだけでも出口がない。因果推論とは、疑う側にも疑わない側にも、重要な審美眼を養う科学だ。
ユヴァル・ノア・ハラリは、信仰による共同幻想共通によって人々が結束するようになったと言っている。人間が想像力を持ったことと -
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ネタバレ難しかった。松尾先生の解説で、何となく全体像は見えたかも。因果関係という当たり前と思える事象に統計学が対応できたのはつい最近らしい。独自の因果モデルを作れば馬券ソフト開発に役立つか?
・相関は見られたが、因果については何も言えない 時代が続いた。
・因果について表現する言語を発明→因果ダイアグラム
・相関を解析するのには交絡因子が課題。主流はランダム化比較試験(RCT)
・RCTができない場合が多いので、交絡因子を調整して因果効果を推論する
・コライダー(結合)を調整してしまうと、元の変数が独立から従属に変わる。
・モンティホールパラドックスは司会者のドア選択がコライダーとなり新車の位置