イーライ・ブラウンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
海賊に拉致された料理人の運命は?
波乱万丈で泥臭くドラマチックで、どっちへ転ぶかわからない、珍しい雰囲気の作品です。
1819年のイギリス。
貴族に仕える料理人ウェッジウッドは、突如別荘に乗り込んで来た海賊団に雇い主を殺され、ついでに拉致されてしまった。
迫力ある美人の女海賊マボットから、週に一度、マボットのためだけの本格的な料理を作るように命じられる、「命が惜しければ」と。
優雅な暮らしで繊細なテクニックを身につけてきたウェッジウッドだが、海賊船にはろくな材料も器具もない。
既に中年で妻を亡くして気落ちしていた彼は、荒くれ男たちの中に放り込まれて絶望しかけていたが‥
運命を呪いながらも、 -
Posted by ブクログ
貴族のお抱え料理人ウェッジウッドは主人を海賊団に殺されて捕虜になる。海賊団の女船長マボットはウェッジの料理を気に入り、週に一度自分のために料理を作れと言い出して……。海賊冒険お料理小説!(ミステリ要素はなし)→
常識人ウェッジウッドがとにかく融通が利かない。何度も逃げ出そうとしたり、海賊たちを下に見たりととにかく苦手キャラで正直400ページあたりまでは読むのがしんどかったんだけど、ウェッジがマボットの影響を受けて一皮剥けた後はめちゃくちゃ面白くなった!
クライマックスは最高!ラストは泣く!
小説の形式がウェッジの日記なんでウェッジに感情移入できないとなかなか読み進められないのが難点。
で -
Posted by ブクログ
目の前で雇い主を殺されてしまった料理人。ところが、その殺した当人である海賊船船長に拉致され、週に一度自分のためだけにご馳走をふるまえと無茶ぶりをされる……という斬新かつ怒涛な展開で幕を開ける物語は、その後も使い古された言葉なれど、まさに「波乱万丈」の一言。
賞金首の海賊なだけに、命を狙われて続けている航海だから、敵の来襲は当たり前。なおかつ、船長は別の目的をもってある人物を執拗に追い、そのために自分と船の危険度をあげてもいる。その道行きそのものもとても躍動的で、かなりわくわくさせられます。
そして囚われの料理人ウエッジウッドの孤軍奮闘ぶりがユーモラスにそして驚くひらめきを持って描かれます。 -
Posted by ブクログ
帯に惹かれて手に取りました。
海賊にさらわれた料理人の運命やいかに!というかこの主人公、本当に料理のことばっかりで頭がいっぱいになっているのが面白い。勿論、囚われの身から抜け出すことにも頭を使っている訳ですが、それよりもパン種を作ったり、素材をいかに調理するかを考えている発想力がすごい。
読んでいて、そうか、キリスト教は肉食を禁じていないから(そういえば子羊とかを生贄に捧げてたよな、旧約聖書では)、教会で修業した調理人は殺生を行うんだなぁと改めて思いました。
お話の本筋はイギリスと中国の阿片貿易に絡んだなかなか骨太なお話で、人間関係の複雑さも絡み、面白かったです。個人的には味噌と醤油を日本の