著者は解剖学者で法人類学者。法人類学という言葉を初めて知ったけれど、警察に協力して骨の分析をするらしい。頭、体、四肢のそれぞれの骨について特徴、発生の様子、実際の犯罪捜査との関わりについて書かれている。この本を読むと、骨からわかることが、どれだけ多いかに驚かされる。人種、性別、身長、死因は予想の範囲だったが、生前の状況やストレスの有無まで記録として残っている。それが犯罪捜査の中で、どのように活用されたかも興味深い。専門的なところもあるが、ユーモアを交えてわかりやすく説明されているので、とても読みやすい。