藤城清治のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
おびのりさんがレビューされた本が手にしたくて書店に行きましたが、2022年の本書しかなかったのでこちらを購入しました。
とにかく美しいです。
藤城清治さんの世界は、色鮮やかで繊細で幻想的です。
巻末に「この絵本は影絵劇の全場面を幅10mのスクリーンに投影して撮影したものだ」と書かれていて、その美しさの中にある独特な雰囲気に、なるほどとため息がでました。
ラストの宮沢賢治さんの言葉にも、今の世の中をわかっていたかのような憂いを感じます。
宮沢賢治さんの代表的な作品を、藤城清治さんの影絵が見事に表現した素晴らしい作品でした。
帯に紹介されていた影絵の絵本、グリムとアンデルセンが気になります -
Posted by ブクログ
宮沢賢治さんの世界が自分に理解できるだろうかと不安に思いつつ読んだけれど、じんと心に響いて、形容し難い、熱を含んだものが胸のあたりにずしんと居座っているから、少しは理解できたのかな?
世界がぜんたい幸福にならないうちは
個人の幸福はあり得ない 賢治
と、最後のページに書かれていた。
私は以前、透視ができるカウンセラーみたいな人に、「家族の幸せなくして、個(私のこと)の幸せはない」と言われました。
宮沢賢治は今度は、世界ぜんたいと言っています。
私は、自分を含め、近しい人を見回して、誰一人幸せそうな人がいない状況に息が詰まりそうで、逃げたくなるのに、宮沢賢治は世界ぜんたいの幸せを