民主化デモ中、催涙弾を頭部に受けて亡くなった“L”。民主化の旗印となった彼の遺品を集めた記念館から、劣化が進む運動靴の修復以来が美術修復士に舞い込む。
繊細な修復士の仕事を通して伝えられるのは、記憶をいかに後世に残すかということ。
大きな記憶で言えば、時折挟まれるアウシュビッツ、慰安婦等の言及。
...続きを読む小さな記憶で言えば、物語に出てくる記念館の館長だったり、お子さんを施設に預ける女性修復士の過去。
うつろい行く記憶への不安さとそれでも風化させてはいけない思い、後悔がかいまみえる中で、“L”の運動靴は何も語らず物語を終える。
残された記憶に、意味を見いだすのは私たちだ。