高橋達二のレビュー一覧

  • 心はこうして創られる 「即興する脳」の心理学

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    ネタバレ

     心はこうして創られる、というタイトル通りの一書。「心などなく、あるのは巧妙にストーリーを紡ぎ、何かを解った(知った)ように思い込ませる脳の働き」。
     原題はMind is flat、心には奥行きも闇もなく、ただ表面を漂う、その時の気持ちのみ。
     私がいままで自己啓発本や能力開発本を読んできたのと重なるところを列挙すると、
     「本を読むとき目に入っているのはせいぜい1語。それを順に追いかけているにすぎない。その一語以外は視野にも入っていない。ページ全体が見えているように思うのは、脳が超高速で視覚画像をつなぎ合わせているから」…これだと速読法の根拠がひっくり返る。速読では、「ページ全体を写真を撮

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    2025年05月11日
  • 心はこうして創られる 「即興する脳」の心理学

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    心には意識・無意識といった区別よ深層心理といった深みなどなく表面的な振る舞いのみが全てであるという解説が書かれている。意識といった太古から人類が考え続けた事柄に関して心理学的にその本質をついている。身近な疑問から徐々に深いところに入っていき、疑問が順番に生じてくる点を順を追って解決してゆくので流れを追いやすかった。

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    2025年01月16日
  • 心はこうして創られる 「即興する脳」の心理学

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    就活中に考えた「人生の目的」とか、流行中のMBTI診断とか、Strength Finderとか、本当の自分(の強み)を見つけよう、とか、全部疑わしく思えてくる。

    本書に照らして言うならば、個性とかアイデンティティとか言うものは、今日まで生きた過程で得た経験の解釈(意味の押し付け)の中で最も馴染んだもの、程度のものであって、必ずしもそれらに基づき一貫した行動をする必要はない。

    にも関わらず、どうして就職活動や転職活動では「あなたの軸は?」とか、過去から今、これからやりたいことへの一貫性とかを問われるのだろう?

    思うに、わかりやすいストーリーなんか無くて、実際には都度都度の解釈で生きている、

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    2024年05月03日
  • 心はこうして創られる 「即興する脳」の心理学

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    「なんじゃこの即興芝居人生」と思いながら生きてきたので「てか他の人も皆んなそうだよ Don’t worry ひとつずつ解説していくねー」と言われた気がして好き。この本。オススメ本。

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    2023年07月27日
  • 心はこうして創られる 「即興する脳」の心理学

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    直観的な理解とそぐわないことが、例えば物理学とか諸々とあり、人間の心に関する理解も同じ。視覚の例がわかりやすいが、人間が知覚してるのはほんの一部分で、あとは脳がさもいろいろなものを同時に見てるかのように補正している。心は平坦で探るべき深みなどなく、人間の内面世界は脳が都度即興しているものに過ぎない。
    自分の感情も、生理的状態をその時の文脈で解釈したもので、好みですらごとに臨んだその時に捏造している。脳の働きは原理原則ではなく前例に基づくもので、思考のサイクルの残した痕跡の積み重ねである。

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    2022年08月10日
  • 心はこうして創られる 「即興する脳」の心理学

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    心、人格、キャラクターは後付け…まあそうだろうね。ただ神の媒体、フィルター、パイプ、楽器としての個性はあると思う。

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    2025年11月23日
  • 心はこうして創られる 「即興する脳」の心理学

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    〜だから、〜だ。例えば、雲ひとつない空だから、雨は降らないはずだ。雲ひとつない空は朗らかだ。笑顔も朗らかだ。創造主が朗らかな気分だから晴れたのだ。人が善行をすれば、互いに笑顔だ。人の善行は創造主を朗らかにし晴れさせる。
    この推論が物語化、意味づけの正体ではないか。

    この本が明らかにするのは、我々が意味づけをしながら世界を認知する生命体であるということ。それに加えて、斬新なのは「自らの身体的変化に対しても、何かしらの意味づけをして物語化する。そしてそれこそが、感情である」という仮説である。

    ロールシャッハテストのような黒いインク。あれは、一度ネタバレすると、その形状にしか見えなくなる。これを

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    2025年10月04日
  • 心はこうして創られる 「即興する脳」の心理学

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    心は錯覚に過ぎないという非常に刺激的な言説。
    その上で人間の即興性、柔軟性をむしろポジティブに捉えているのは斬新だった。
    ただ原著が2018年ということで、AIの推論能力が超進化した現在、私は著者の言うような人間の独自性を確信できなくなってきている。
    この後にNEXUS読んだら面白いのでは。

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    2025年07月29日
  • 心はこうして創られる 「即興する脳」の心理学

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    「深層心理」などない?!

    心や意識についての、最先端に近い捉え方だと感じた。

    深層心理、無意識だとかいうものはなく、パターンにそって即興で反応しているのが、心や意識の実態、
    ということかと理解した。

    #深い #共感する #タメになる

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    2024年08月09日
  • 心はこうして創られる 「即興する脳」の心理学

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    「深層心理」とか「本当の自分」とかなんてない、という主張の本。

    今までの自分を振り返ってみると、「心は脳の即興」という筆者の主張がわかる気がするけど、だからこそ信念を持たなきゃならない、本当の自分に気づかなきゃならないと考えてきたので、信念までも脳の即興だって言われて、共感半分、疑い半分の気持ちで読み進めた。
    第11章までは、要は脳は一度に1つのことしか処理できないよね〜ってことと、だから「深層心理」なんてあるわけないよね〜ってことが多くの実験結果を引用して何度も書かれていた。実験の話はたまに「その実験結果からその結論にいくの…?」と思うところがあったけど、筆者の主張は理解。
    でもずーっと

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    2024年05月06日
  • 心はこうして創られる 「即興する脳」の心理学

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    原題の「Mind is flat」のほうが内容を過不足なく表現している気もするが、まあ楽しい本だった。先に読んだ「言語は~」のほうは、言語のルールが即興ジェスチャーの伝統でしかないという話だったが、心もまた経験から判断される即興の場繋ぎでしかないとは。
    部分しか把握できない人間が、意識できないレベルでの視点移動で全体を把握しようとし、そうしたトリックを意識それ自体は把握できず、ただ入力される感覚情報に頼るしかないなどなど、得心が行くとともに実に興味深い話ばかりだった。

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    2024年01月18日
  • 心はこうして創られる 「即興する脳」の心理学

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    「心の奥」なんてものは存在しないと言われると、「本当にそう言い切れるか…?」と疑ってしまう。そんな感じで、本書を読み始めた。冒頭を読んでいる間は、「なんだか言い過ぎている感じがするなあ」と思っていたが、読み進めていくうちに、「やはりこっちが正しそうだ」と説得された。
    「心の奥」が存在しないことは、少し寂しい気もするが、むしろ存在しないからこそ、人間は変わっていけるし、クリエイティブになれるのだという、希望のもてる話であった。

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    2023年04月02日
  • 心はこうして創られる 「即興する脳」の心理学

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    具体的にイメージしにくい部分があり、やや理解に苦しんだが、脳は「心の奥」があるという錯覚を創り出しているのみならず、「心というものが存在している」という錯覚さえも創り出している。感覚情報のほんのひとかけらを解釈して意味付けした結果がその瞬間の意識となっているのみであって「心」と呼ばれるものはない と言うある意味衝撃的なセオリーだった。

    以下、心(と言ってはいけないのだが)に残った言葉。

    「喜びや怒りといった感情も、内なる深みから湧き上がってなどいなくて、人は自分の感情をその瞬間に解釈している。かつ、その解釈は、自分の置かれた状況(居合わせた人が浮かれているか怒っているか)のみならず、自分の

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    2023年03月13日
  • 心はこうして創られる 「即興する脳」の心理学

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    最後の方は畳みかけられて少し主張がぼやけたが、全体として脳の即興であるという筋は通っているし、実感とも近い。

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    2023年02月25日
  • 心はこうして創られる 「即興する脳」の心理学

    ネタバレ 購入済み

    心についての誤解

    本書は、私たちが自分の心について知っていると思っていたことのほぼ全てが誤りであったことを見ていくことができる。多少読みづらさはあるが人間の心理に興味がある方は是非買ってみて欲しい。

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    2022年09月14日
  • 心はこうして創られる 「即興する脳」の心理学

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    無意識は存在しないという、衝撃的な内容。

    付随するこの辺の話は面白かった。
    ・視覚の中心だけカラフルで実は周辺は白黒でぼんやりしている。
    ・人間は一度に1単語、1つの形、1つの色しか認識できない。
    ・五感から入力された物を過去の経験・記憶に照らし合わせて、即興で創造している物が意識。

    ただ、いかんせん長い。どの章も結局、心の内側なるものは存在しないと同じ事を言っている。

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    2025年10月24日
  • 心はこうして創られる 「即興する脳」の心理学

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    心は”即興”(ここでは瞬間的な感情に対する脳のはたらき?)の連続によって生み出されている。
    この”即興”は、できるだけ思考や行動に一貫性を持たせること、「役柄(キャラクター)に徹し」続けることを任務としている。
    我々が認知している深層心理や本当の自分などはなく、脳がその場で役柄に沿うように創り出す虚構なのだ。(要約)

    興味ある章だけサラッと読んだだけだけど結構面白かった。場によって軸がブレてる人が容易に存在する理由にはうってつけの一説だと思った。

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    2024年08月11日
  • 心はこうして創られる 「即興する脳」の心理学

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    人間に深層心理は存在せず、脳がたった今処理した情報から過去の記憶に関連づけて「即興」しているにすぎない、心に深さはなく薄っぺらであるという内容。なんとか最後まで読み通したけど似たような記述や比喩が多くて斜め読みになってしまった。様々な図形を用いた実験の例は興味深かったけれど、筆者の主張に100%の説得力を持たせたかというと違う気がする……。最後の訳者の解説が端的にまとまっていて分かりやすかった。

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    2023年10月06日
  • 心はこうして創られる 「即興する脳」の心理学

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    無意識、深層心理は存在しない。
    自分が何を感じているのか、認識しているのか。
    脳のフィルターを通したものしか認識出来ないし、元になる情報がどのような解釈や変換をされたのか、過程を知ることはできない。
    このラフな仕組みを持つことで今の生活が成り立っているのは不思議なことだ。

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    2023年06月24日