ロブ・ダンのレビュー一覧
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山の中に住んだら健康的になるかも。というようなことが書かれた本。普段人間が生活している屋内には、見えないサイズの数多の生物が生息しており、野外と比べても特別な生物相が形成されている。特殊な環境でしか見つからない菌が、普段使っている給湯器から見つかってしまったなどの例も書かれており色々面白い。
細菌などを含めた生物の多様性を維持することで人にとって悪い菌が増えるのを防ぐ話や、薬物耐性菌を野に放つと従来の耐性のない菌にリソースの問題で負けてしまう辺りの話も興味深かった。あとはコロナで話題になったPCR検査は本来こう使うのかなどと思った。
とりあえず今日から窓をちゃんと開けて換気するようにしたい -
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生態学者の著者は、これまで、生態学は外の世界を見てきたという。人類は含まれるものの、人類を取り巻く「自然」における多様な生物からなる生態系及び生態系サービスを見てきたという。だから、家の中にどれぐらい新生物がいるかをしらなかったという。それに対して、本書が取り上げるのは一軒の家にいる生き物すべてを総ざらえしようというのである。そして、その生き物たちが生態系をなしていて、微妙なバランスで成り立っているというのである。なお、本書ではウィルスは登場せず、細菌や原生動物といった微生物、昆虫、ペット、そして、人間が登場する。
たとえば、花粉症などのアレルギーは、多様な環境に暴露されなかったから、身体の -
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本書を読み出したキッカケは、訳者の今西さんが気になっていたからです。
同じく彼女が翻訳したカール・ジンマー『ウイルス・プラネット』(飛鳥新社、2013年)を読んだことがあり、面白かったので別書もと思っていたところ、本書を知って早速読み始めました。
私達の住む家には、20万種の生きものがいて共生している、と著者のロブ・ダンは書いています。
ハエ、クモ、甲虫、ハチやアリ。そして、ピリオド「.」の大きさに中には、チリダニ、アメーバ、細菌、酵母、カビ胞子など様々な生きものがいる・・・。さらにそのダニを食べるダニまでいたりして、微生物の世界に改めて驚かされます。
その世界を初めて垣間見たレーウェ -
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なかなかインパクトのあるタイトル。原題は”Never Home Alone”。映画「ホーム・アローン」をもじったようなフレーズだが、直訳すれば「家で一人ぼっちなんてことは絶対ない」くらいの意味だろうか。
ひとり暮らしの人も、家族と暮らす人も、自分の家は自分のものと思っているだろうが、実はそんなことはない。「家」に住んでいるのはヒトだけではなく、多種多様な生物もまた、自分たちの「家」として住んでいるのだ、というのがこの本の主眼。多種多様というのは文字通りの意味で、10や20、100ですらない、本書の著者らによれば、何と、20万種もの生き物がヒトとともに暮らしているのだという。
まさに「生態系」と -
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【まとめ】
0 まえがき
複数の研究グループが家の中にいる生物種を調べ始めたところ、20万種を超える生物が発見された。脊椎動物、植物、昆虫、菌類などである。また、家屋に生息している生物種の多くは人間の役に立っており、場合によっては人間にとって不可欠な存在であることもわかった。
しかし残念なことに、家の中にいる生物の多くは善良で、人間にとって不可欠でさえあることに科学者たちが気づき始めたちょうどそのころ、社会全体は、家の中を殺菌消毒することに精力を傾けるようになった。躍起になって屋内の生物を殺していくうちに、家の中を外部の世界から遮断しようとするだけでなく、殺虫剤や抗菌薬を使用すると、その矛先が