ロビン・オサリバンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
オーガニックの歴史は浅く、戦後に浸透していったものである。歴史が短いだけに概観するのはむずかしくなさそうだが、複雑さも併せ持つだけに、本書の内容も筋の読みづらさがある。
本書はオーガニックの史的研究となるので、著者にオーガニックへの支持も批判もない。このような補足は訳者のあとがきにも書いてある。ただ、なぜこんな補足が必要なのか。
それはオーガニックがある種の思想、社会運動として捉えられるからである。本書を読めば事実、60年代以降のカウンターカルチャーとの結びつきなど、そのような足跡はある。その後、市場と手を結んでいくことになるが、現在に至るまで社会運動的な性質と縁を切ったわけではない。