藤つかさのレビュー一覧

  • その意図は見えなくて
    合っているけど、合ってなくて、そして、正解はなくて。

    思春期の、未成熟で不完全な少年たちの描き方が秀逸だった。
    作者の書きたいものがしっかりあって、プロットもしっかりしてて、人物も書き分けられられてる。
    ユウについて、読者への余計な説明などが一切なく、最後まで清瀬に焦点を当てているところがいい。(...続きを読む
  • その意図は見えなくて
    黙して調整役を担う人は、今、真のヒーローだと思う。
    キャラが立っていることとか、個性とか、そんなものがまるでイチバン大事みたいに扱われることにはもう辟易としている。
    だからこの本は、本当におもしろかった。見逃されがちな真のヒーローに光があたって、嬉しかった。
  • その意図は見えなくて
    『落としどころ探し青春学園ミステリーへようこそ』

    クールだね。どことなく感情を抑えたような清瀬らの身の回りで起きた事件の、面倒なことにならないよう落としどころを探りながら真相を暴いていく5編の連作短編集。こんな青春もありかなと思わせる独特の雰囲気だな…
  • その意図は見えなくて
    作品紹介にあった「青春群像劇」って言う言葉がぴったり。推理もののような学園ドラマのような、恋愛なのか友情なのか、いろんな感情とか状況があちこち描かれていて、ちょっとした理不尽さや不自由さにチリチリしながら生きていた時代をちょっと思い出した。是非他の本も読んでみたい。
  • その意図は見えなくて
    生徒会選挙での大量白票事件。荒らされた部室。廃棄されそうになった文化祭のパンフ。

    とある高校を舞台とした連作短編集。

    真相を追い求めることが、必ずしも正しいわけではない。

    ビターテイスト好きの方に刺さりそうな作品。

    理性や想像だけで、人は救えない。

    真相を暴くけれども、事態をなんら改善しな...続きを読む
  • その意図は見えなくて
    ◆第三者から見ると本当に些細でくだらない動機にリアリティーを感じる。

    いわゆるコージーミステーリー。
    人が死んだり、法的な犯罪が起きない。普通の高校生が日常生活の些細な謎を解く。
    トリックはシンプルで、本格ミステリーのようなものを期待すると当てが外れるかも知れない。
    この小説の肝は犯人の動機にある...続きを読む
  • その意図は見えなくて
    だいぶ好み!米澤穂信さんを思い出す。ユウはいい人だけど行動が突飛で危なっかしく謎。佐竹さんもまだまだ言いたいことあるだろうし続きが読みたい!
  • その意図は見えなくて
    優しい気持ちになれる学園ミステリー。
    読み進めるにつれ
    自身の心を覗くような妙な気持ちにもなりました。
    おもしろかったです。
  • まだ終わらないで、文化祭
    前作から続いていたのかと、読み終えたから気付きましたが、前に感じた「探偵役を務める人物の扱いに、より厳しい」が今作にも感じられたように思いました
  • まだ終わらないで、文化祭
    2024-013
    主人公の文化祭では、毎年生徒が学校に内緒で何かを起こす。実行委員になった市ヶ谷は、それを阻止するために見回りをするが…

    市ヶ谷の今後が気になる。市ヶ谷はきっと人付き合いが得意そうで苦手なんだろうなー。
  • まだ終わらないで、文化祭
    今年の文化祭も、何かが起こる…??

    複数の生徒の視点から語られる文化祭の裏側。主人公は、誰からも信頼されるキラキラ女子の市ヶ谷さんだと思っていたら、「あら、実はその子がメインだったの?!」という展開に驚き、さらにその裏で画策されていた事実に驚き…
    視点がぐるんぐるんと変わって、ジェットコースターの...続きを読む
  • その意図は見えなくて
    『いまさら翼といわれても』を並行して読んでいるからか、投票に絡む謎ですか、との感想を持ちました。探偵役を務める人物の扱いに、より厳しいのが本作かなとも。
  • その意図は見えなくて
    高校を舞台に物語が
    進むストーリーでした
    誰も傷つかないぼやっとした
    終わり方ですが、それが面白かった
  • その意図は見えなくて
    人の死なない学園ものミステリー。
    ちょっとした事件が起きて、それを冷静な清瀬が解いていく話が多い。
    この清瀬、犯人を明かすことに興味がない。むしろ、犯人なんて分からなくていいというスタンスで、探偵役が張り切っている他のミステリー小説と比べると新鮮だ。

    生徒会長の選挙で不正が行われた可能性を探るとか...続きを読む
  • その意図は見えなくて
    【収録作品】その意図は見えなくて(「見えない意図」改題)/合っているけど、合っていない(「50グラムは重いのか」改題)/ルビコン川を渡る/その訳を知りたい/真相は夕闇の中

    高校生の学園ミステリ。推理して真相を見つけることよりも、真相をふまえてどう落としどころを見つけるかが大切、という連作のよう……...続きを読む
  • その意図は見えなくて
    第42回小説推理新人賞を受賞した著者のデビュー作。作中の登場人物が披露する“それっぽい”推理が否定された上で真相が明らかになるロジカルなミステリーでありつつ意外に(?)人間の心情に迫るドラマ性も兼ね備えている。安楽椅子探偵に対する批評を含めて読後感がすっきり爽やかとはいかない点は好みが分かれるか。
  • その意図は見えなくて
    高校を舞台に、日常の謎を絡めて描く5つの連作短編。

    生徒会長選挙の白票の謎、荒らされた陸上部部室の謎、合宿中にいなくなった後輩の行方、女子中学生の仲間はずれの真相、文化祭のパンフレットが遺棄された理由など、謎自体はそこそこ。

    だけど幼馴染の天才スプリンター・ユウへの主人公・清瀬の複雑な思いが終始...続きを読む