髙木一史のレビュー一覧
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元々トヨタ自動車の人事で働いていた著者が、日本の雇用制度における疑問を抱えたまま、その後、サイボウズに転職して、その疑問を解き明かしていくという本。この疑問がまさに普遍的な内容で、例えば、就労時間や場所の自由、年功序列に対する膠着感の打破、望まない人事異動や転勤は許して良いのか、とかだが「そうは言っても難しいだろう」というトヨタ側への共感からスタートして、読みながら「何か答えがあるのかも」という期待に変わっていく面白さがある。
サイボウズとトヨタでは会社の仕組みが違い過ぎるのだが、単に業務の仕方として参考になる部分も多い。例えば、では、トヨタとサイボウズで違ったところはどこかという点で、著者 -
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2016年トヨタ自動車に入社して人事部に配属された筆者が、18年末に閉塞感に耐えられなくなってサイボウズに転職して書いた本。今の若い人達が何故閉塞感を感じるかを筆者なりに紐解く。曰く、多様な距離感、自立的な選択、徹底的な情報共有を認める風土がない旧来型会社では、デジタルネイティブの若い人たちは閉塞感を感じ、個人の幸せと会社の理想にギャップを感じてしまうらしい。
それに気づいた先進的会社(サイボウズやソニーやNTTデータ等のインタビュー記事)は新しい人事の仕組みを始めている。日本の会社の全てがデジタルネイティブの若者が閉塞感を感じない仕組み・風土を持った時、日本の逆襲が始まるかも。
昭和の世代は -
Posted by ブクログ
1.
まず、この本に書かれているような日本の労務課題について、どの大学の何学部で学べるのだろう、と考えました。
著者同様、ほとんどの人事社員は、まっさらなまま入社し、(希望でもないのに?)人事部門に配属され、会社の中で人事社員として育成される。
提言のように、会社の入口である採用段階からスキルとジョブをマッチングさせようと思ったら、この本がまとめてくれているような課題は、外部で学んでから入社する、という状態が、今後目指すカタチ、となるように思う。
この本に書かれていることは、トヨタの課題ではなく、サイボウズの課題でもなく、どこにも共通してそうな課題だもの。(特定の企業の問題ではなく、共通 -
Posted by ブクログ
「閉塞感のない会社をつくりたい」
トヨタ自動車を3年で辞めてサイボウズに転職した著者。閉塞感=「1人の人間として重視されている感覚の薄さ」と「1人ではなにも変えられない無力感」を感じたという。
トヨタを辞める際に先輩から投げかけられた問い(※)に対して、日本の会社のしくみの歴史を学んだ上で考察しているのはわかりやすい。
(※)1.なぜ会社の平等は重んじられてきたか?
2.なぜ会社の成長が続いてきたか?
3.なぜ会社の変革は難しいのか?
特に1が、欧米と日本の違いから論じられてるのは目から鱗。日本は企業別なのに対して、欧米は職種別あるいは産業別の労働組合。故に平