ピラール・キンタナのレビュー一覧
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ネタバレ動物好きな人はご用心かも。
重たすぎる愛は憎しみに変わるとき、暴力を伴う。
ダマリスはずっと子どもが欲しかったから夫のロヘリオと努力したけどとうとう子どもは出来なかった。
ロヘリオも若い頃は協力的で薬草を一緒に摘んで薬を作ったり、怪しい民間療法をうけたりしていたけれど今はもうそんなことは遠い話になってしまっている。
もう、40歳になってしまいロヘリオとは生活は共にしているが愛情はあるのかないのかよくわからない。
家族になりきれなかったように、きっとふたりとも考えていそうと思った。
海岸で死んでいたエロディアさんの犬の子を衝動的にもらい受ける。雌犬だ。
雌犬に女の子が産まれたらつけようと思って -
Posted by ブクログ
コロンビアの海辺の村で邸宅の管理人をしているダマリスは、近所からもらった雌の子犬を飼い始める。ダマリスは不妊治療の末に子どもを諦めた過去をもち、子犬の成長に慰めを感じて溺愛するが、いつしか思い通りにならない犬への愛が歪んでいく。トラウマを持つ中年女性と雌犬の愛憎関係を乾いた筆致で描く。
なんだか雌犬づいている。女性と雌犬の奇妙な依存関係が印象的な物語を読むのは今年に入って3作目。レベッカ・ブラウンの『犬たち』、ホセ・ドノソの「散歩」、そしてこの『雌犬』だ。もちろん本書は最初からタイトルに引力を感じて手に取った。
『犬たち』は幻想の雌犬が増殖し、深い孤独を抱えた主人公の心を苛む話。「散歩」は -
Posted by ブクログ
ネタバレ特段心揺さぶられることなく読み進めていたが、最後ガツンと頭を殴られたかのような衝撃があった。
読み終わってじわじわくる雌の怖さ。自然と人間の生々しい部分が詰まった作品だった。
可愛がっていた犬を邪険に扱うようになるなんてひどい!と思いつつ、相手が思い通りに動いてくれない時に起きる苛立ちは私の中にも存在するし、子供を産めない自分が、望まずとも子供を身籠る犬を憎らしく思うというのも、想像のつく感情だと思った。
生き物を殺める行為は何時も非難の対象だけれど、それは全て悪なのか、その背景やその後の影響にも問いを投げかけられていたように思った。(それとも単に自己を正当化しようとする心理がダマリスに