土谷尚嗣のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本当に驚いた!
「私の感じている赤色と、あなたの感じている赤色は、同じといえるか?」
他者のクオリアを覗いてみることは、絶対にできない…この絶対に不可能だとされてきた哲学的問題である「他我問題」を「乗り越えてみせよう!」というのが、著者の研究である。
人類最大の謎のひとつを解くために、「力を合わせよう!」というのが、本書で語られていることだ。
もちろん、研究は始まったばかりであり、まだ実験技術が不足していたり、そもそも理論自体が間違っている可能性も充分ある。
著者が生きている間には、結論にたどりつかないだろう。
たぶん、著者自身もそれは分かっている。
それでも、とにかく一歩を踏み出すことで、正誤どちらでも知見を積み重ねれば、そのひとつひとつが、いつか謎が解明されるための鍵となるのだ。
愚鈍な四畳半哲学者であるわたしは、「他我問題は、絶対に解けない」と、たいして考えもせずに受け入れてしまっていた。
哲学的な超難問に対する、科学者によるアプローチが記された本書から、わたし自身の思索のための多くのインスピレーションを得ることができた。
「統合情報理論」の妥当性を吟味しながら読むと、かなり難しい本だが、大量の傍線と書き込みをしながら読み進めた。
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「他我問題」を乗り越えて、クオリアを捉えようとする、その方法は驚くべきものである。
ド素人なりに、申し訳ないほど単純化すると…
クオリアが発生している脳の神経活動を計測し、
その発生しているクオリアの中身を、圏論を用いて、数学的に同じだと保証する。
例えば、赤色のクオリアを捉えるためには、赤色そのものではなく、他の色のクオリアとの関係性の構造として記述し、それを他者と比較し同定する。
…たぶん、こういう事だと思う。
数学でクオリアを保証する!?
そんなアプローチがあるのか!
と驚かずにはいられない。
もちろん、「この方法がクオリアを説明したことになるのか」という反論は、各分野の学者から山のように寄せられるだろう。
わたしのような無学の一般人でさえ、いくらでも疑義を挟むポイントは思いつく。
しかし、たとえ間違った理論だったとしても、とにかくやってみて、超難問を解くための取っ掛かりを、人類史に作り出そうとする、その態度には敬服するしかない。
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Posted by ブクログ
意識はどこにあるのか
■6章 意識の統合情報理論
○統合情報理論が提案する意識の公理
70
1 存在性 意識はそれを持つ者にとって存在する
2 組成性 意識はさまざまなコンポーネントから構成されている
3 情報性 意識には情報がある
4 統合性 意識は統合されている
5 排他性 意識は排他的であり、経験されるそれ以上でもそれ以下でもない
○数学的な手続き
1 (脳などの)あるシステムが持っている意識レベルに相当するのは、そのシステム統合情報量(システムレベルのビッグΦ)と呼ばれる量である
2 ビッグ・ファイが局所的に最大になるサブシステム、それを「コンプレックス」と呼び、そのコンプレックスに意識が宿る(今のところ、コンプレックスとはネットワークの一番重要な中心と考えて良い)
3 コンプレックス内に含まれる(ニューロンやニューロンの集団などの)「メカニズム」が生み出す統合情報量(メカニズムレベルのスモール・ファイ)、そしてそのスモール・ファイφ同士がどういう関係性を持っているかによって、意識の中身・クオリアが決まる