長谷川一年のレビュー一覧

  • 国民とは何か

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    国民とは、人種でも民族でも地理的な国境でもなんでもない。努力で勝ち取ってきた共通の物語を共有している人々の集まりだ。というのがフィヒテの結論。同時にこの概念は非常に脆いものだとも思える。

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    2025年05月11日
  • 国民とは何か

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    「国民とは何か」という、身近な問題に関する文章は、筆者の言葉の選択の慎重な正確さが感じられる。今後の考察の発展の余地がある点で、“動き続ける”国家哲学となった一書。

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    2025年08月20日
  • 国民とは何か

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    自分の生まれ故郷としてのパトリア(祖国)と法律を共有する共同体としてのパトリア(祖国)がある。キケロ

    イエナの戦い(1806)で、プロイセンはナポレオンに大敗。ティルジット条約でエルベ川左岸とポーランドを奪われる。ドイツは未だに領邦に分かれてバラバラ▼ドイツ民族は同じ国民(ネーション)だから団結しよう。ドイツ国民の基礎は、言語・大地・共通の記憶・慣習・ルターの宗教・ドイツ特有の教育・文学作品▼階級を超えた国民全体の教育が必要。教育こそ国家の中心的な機能。ヨハン・フィヒテFichte『ドイツ国民に告ぐ』1808

    私がここで、フランス語の授業をするのは、これが最後です。普仏戦争(1871)でフ

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    2025年02月27日
  • 国民とは何か

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     「国民の存在は日々の人民投票である」。
     政治学を学んだ者であれば、一度は耳にした言葉ではないだろうか。この言葉は1882年、フランスのソルボンヌ大学で、エルネスト・ルナンが行った講演で発せられたものである。

     ルナンは、なぜ「国民」について論じる、このような講演を行ったのか。直接のきっかけは普仏戦争による祖国フランスの敗北、(ドーデ「最後の授業」でも有名な)アルザス・ロレーヌの割譲といった事件であった。
     「国民」とは何なのか。ルナンは、人種、言語、宗教、国境などの要因、属性を検討した上で、その結論として、「国民とは魂であり、精神的原理である」とする。そしてそれを端的に表現したのが、冒頭

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    2022年05月13日