オクテイヴィア・E・バトラーのレビュー一覧

  • 血を分けた子ども

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    ネタバレ

    過去の短編とエッセイ、新作短編をまとめた本。
    表題作はネビュラ賞、サイエンス・フィクション・クロニクル賞、ローカス賞、ヒューゴー賞を受賞した、バトラーの短編の代表作。

    エッセイ二篇はどちらも「書くこと」について書かれていて、特に『書くという激情』はプリントして持ち歩きたいぐらい沁みる。大事なのは「粘ること。」

    短編の方では新作短編のどちらも好きだけど、特に『マーサ記』がよかった。神に選ばれたマーサが、人間にひとつだけ変化を与えて「いまほど破壊的でなく、より平和で持続する生き方」をするよう、神と対話しながら考える。到達するのが「眠るたびに見る夢に現実味を持たせ、個人の希望や興味を叶える夢を見

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    2022年09月05日
  • キンドレッド

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    1976年アメリカに生きる黒人女性が、奴隷制が存在していた1819年へとタイムスリップします。それも何度も現代に戻ってきては、いつともわからない瞬間にタイムスリップをくり返します。

    いかに黒人といえど、20世紀後半に生きていれば奴隷制は学習するだけの過去の制度。それを想像を絶するほどの痛みをともなって実体験し、加えて現代に無事に戻れるのかわからないという不安も絶えずおぼえるというのは、SFということがわかっていても読んでいてつらいです。すなわち、主人公のデイナに同情以上の気もちをおぼえることもあるでしょう。

    本書を通じて登場する、白人であり奴隷所有主の息子(のちに主人)であるルーファス。彼

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    2022年04月30日
  • 血を分けた子ども

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    SL 2023.3.18-2023.3.20
    SFは自分で世界を創り出せるからなんでもアリだなと思っていたけど、この短編集では、その創り上げた世界は作者の考え、主張、訴えたいことが根底にあり、しかも今の時代の出来事を下敷きにしているんだと気づいた。
    地球外生命体や遺伝性疾患、伝染病によって、極限状態で人間性はどうなるのか、そもそも人類とはどういった存在なのか。作者は自らの経験も踏まえてSFの世界にそうした主題を描き出そうとしているのだと感じた。

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    2023年03月21日
  • 血を分けた子ども

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    途中まで読みました。SFをしばらく読んでない身としてはなかなかハードな一冊でしたが、久々に空想の世界に旅立つことができました。またここに戻ってきたい。

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    2023年03月20日
  • 血を分けた子ども

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    ネタバレ

    ヤマシタトモコ先生が読まれていたので読んでみた。
    久しぶりにSFを読んだので、最初は世界観や人物関係を理解するのに苦労した。
    表題作の「血を分けた子供」では特に読み進めるのが難しかったが、少しずつ不思議な社会システムが理解できたところでテーマである愛が浮かび上がってきて圧倒された。
    自己破壊的な遺伝病に苦しむ「夕方と、朝と、夜と」は精密な設定で読み応えがあった。作者が後書きでお薦めしていた本もいつか読んでみたい。

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    2023年01月19日
  • 血を分けた子ども

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    ネタバレ

    「血を分けた子ども」★★★
    「夕方と、朝と、夜と」★★★★
    「近親者」★★★
    「話す音」★
    「交差点」★★
    「前向きな強迫観念」★★★
    「書くという激情」★★★
    「恩赦」★★★★
    「マーサ記」★★★

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    2022年08月25日