高見澤將林のレビュー一覧
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エネルギー安全保障
•アメリカはシェールガス開発により中東依存を低下。むしろエネルギー資源国としての強みを持つようになった。
•ただし、イスラエル保護の立場は維持せざるを得ず、中東完全撤退は難しい。
•日本は国力の低下もあり中東関与を深めにくいが、石油依存は依然大きく、一定の関係維持は不可欠。
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食料安全保障
•戦後、日本人のカロリーの約4割を米が占めていたが、今は約2割にまで低下。
•小麦の多くをアメリカやオーストラリアから輸入している。
•これらの国との関係が維持されている限り、一定の食料安全保障は担保されている。
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再生可能エネルギー
•北欧諸国(スウェーデン、デンマーク)が -
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核の傘、核抑止、核不拡散、核廃絶etc.核をめぐる様々な議論について、各識者が意見を言い合う座談会の記録。
それぞれのテーマについての現状や課題を様々な立場から意見を出しているので、状況を把握するのに役に立った。
なにより、この座談会がウクライナ侵攻前の2021年9月に行われていて、この内容が語られていることに、まずびっくりした。
ロシアによるウクライナ侵攻の状況を見ていて、ロシアの核使用のハードルがものすごい低いことを痛感させられたし、それとは別に中国の核戦力を含めたあらゆる軍事力増大に恐怖を覚える昨今だが、そのあたりどのように対峙していくべきなのか、どういう議論をしていくべきなのか、考え -
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2022.02.24のロシアによるウクライナ侵攻の半年前の座談会だが、ロシア、北朝鮮、中国、アメリカをめぐる日本の状況について的確な議論がなされているのに驚いた.ジャーナリスト、元官僚2名、元自衛官の4名が文字通り本音で語り合っている.核抑止と核不拡散をいかにとらえるか.NPT:核兵器不拡散条約と核兵器禁止条約の問題.中国の核兵器の透明性、北朝鮮の内情等々、広範な議論が各人の得意分野と相手の意見を巧みに取り入れて、それなりの結論を導き出す.一流の人材だと感じた.それに比較して政治家のこの問題に対する明らかな不勉強が顕在化していると思った.中国の軍備拡張状況を踏まえて、日本の政治家が中国と東アジ
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「日本人ファースト」に混ざり込む排外主義の匂いが一部に警戒感を、一部に高揚感を与えるようだ。誰かが、愛国者というポジションは会費も資格も要らない、最も安上がりな求心力だと言っていた。そもそも、日本人ファーストであるべきは当然で、「日本人セカンド」を主張する派閥は論外だとしても、私が気になるのは〝敢えて言うべき状況こそが問題である“という事。日本人ファースト以外は、国家的法益に対する罪ではないか。その上で排斥差別が起こらないようにすべきだ。尚、それをコマーシャリズムに用いるやり方も気に入らない。結局、私は何もかも気に入らないが、ポピュリズムこそが大衆動員の最短距離だ。
さて、国家の総力について -
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中国による台湾有事を念頭に、安全保障の観点から食料、エネルギー、資源、経済の在り方を霞が関の元幹部たちが議論する。
省庁は安全保障の観点に立って、政策を考える必要がある。台湾有事の最前線に立つのは、自衛隊かもしれませんが、食料、エネルギー確保はもちろん、食料自給率のアップも考えないといけない。
経済面からも、安全保障に絡む分野には国が積極的に補助金を付与する必要がある。
各省庁への自衛官や防衛省幹部たちの派遣や人事交流も大切だし、各組織が連動して有機的に動けるようにする。
日本の力だけで、中国に対抗できなくなった現在、事態が発生した時に、生活がどれだけ制限されるのかを真剣に考えないとですな。
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感想
核兵器について丁寧で構成が整理された議論になっており、言葉も平易で読みやすい。4名の元政府関係者、元共同通信編集員、元陸上自衛隊陸将による対談形式であり、やや俯瞰的で総論的な議論ながら、それぞれの経歴上の経験も織り交ぜて話しており、具体と抽象のバランスも良い。
アメリカとの同盟関係や核関連の条約の変遷を振り返った後、中国、ロシア、朝鮮半島、台湾といった地理的な領域及びサイバー宇宙領域を議論した上で、日本の核抑止論を議論している。
当然のことながら、この一冊では最良の核戦略のようなものは結論が出ていない。日本が核を保有することの是非も含めて意見は分かれた。
戦況による戦術核の使用を名言し -
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対談するのは、兼原信克(1959年生まれ。元内閣官房副長官補)、佐々木豊成(1953年生まれ。元内閣官房副長官補)、曽我豪(1962年生まれ。朝日新聞編集委員)、高見澤將林(1955年生まれ。元内閣官房副長官補)という、間近に「権力の使い方」を見てきた面々だ。
改めて調べると、権力とは、他人を支配し従わせる力のこと、とある。恐らくは、その力の動力源となるのが、「ルールや制度で認められた権威、決定権」「権威主義的スコアに裏付けられた影響力 (年齢、信用度、学歴、社会的地位など)」「(それらとやや重なるが)お金など他者の意思や自由を買うもの」「人事・動員力・数の力」「個人や集団の感情・同調性」「 -
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【感想】
日本という国で「核戦略」はまともに議論できない、と私は思う。それは、日本が世界で唯一の被爆国であるからだ。「核兵器」というワードについて、凄惨な歴史を持つ私たちはどうしても拒否反応が激しくなり、核廃絶は絶対/核の平和的利用も認めない、という極端な論で立ち止まってしまう。もちろん核が根絶されれば一番良いのだが、だとしても現状、露・中・北朝鮮という核保有国に囲まれ、ミサイルの発射口を向けられている状況を静観しているだけでは、何も進展していかない。他国との関係において「戦略」としての核運用体制をどう構築していけばいいか。そのような地に足が着いた議論が今、求められている。
そうした前提のも -