高見澤將林のレビュー一覧

  • 国家の総力(新潮新書)

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    エネルギー安全保障
    •アメリカはシェールガス開発により中東依存を低下。むしろエネルギー資源国としての強みを持つようになった。
    •ただし、イスラエル保護の立場は維持せざるを得ず、中東完全撤退は難しい。
    •日本は国力の低下もあり中東関与を深めにくいが、石油依存は依然大きく、一定の関係維持は不可欠。



    食料安全保障
    •戦後、日本人のカロリーの約4割を米が占めていたが、今は約2割にまで低下。
    •小麦の多くをアメリカやオーストラリアから輸入している。
    •これらの国との関係が維持されている限り、一定の食料安全保障は担保されている。



    再生可能エネルギー
    •北欧諸国(スウェーデン、デンマーク)が

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    2025年09月23日
  • 核兵器について、本音で話そう(新潮新書)

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    核の傘、核抑止、核不拡散、核廃絶etc.核をめぐる様々な議論について、各識者が意見を言い合う座談会の記録。
    それぞれのテーマについての現状や課題を様々な立場から意見を出しているので、状況を把握するのに役に立った。
    なにより、この座談会がウクライナ侵攻前の2021年9月に行われていて、この内容が語られていることに、まずびっくりした。

    ロシアによるウクライナ侵攻の状況を見ていて、ロシアの核使用のハードルがものすごい低いことを痛感させられたし、それとは別に中国の核戦力を含めたあらゆる軍事力増大に恐怖を覚える昨今だが、そのあたりどのように対峙していくべきなのか、どういう議論をしていくべきなのか、考え

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    2023年09月14日
  • 核兵器について、本音で話そう(新潮新書)

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    2022.02.24のロシアによるウクライナ侵攻の半年前の座談会だが、ロシア、北朝鮮、中国、アメリカをめぐる日本の状況について的確な議論がなされているのに驚いた.ジャーナリスト、元官僚2名、元自衛官の4名が文字通り本音で語り合っている.核抑止と核不拡散をいかにとらえるか.NPT:核兵器不拡散条約と核兵器禁止条約の問題.中国の核兵器の透明性、北朝鮮の内情等々、広範な議論が各人の得意分野と相手の意見を巧みに取り入れて、それなりの結論を導き出す.一流の人材だと感じた.それに比較して政治家のこの問題に対する明らかな不勉強が顕在化していると思った.中国の軍備拡張状況を踏まえて、日本の政治家が中国と東アジ

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    2022年08月30日
  • 国家の総力(新潮新書)

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    「日本人ファースト」に混ざり込む排外主義の匂いが一部に警戒感を、一部に高揚感を与えるようだ。誰かが、愛国者というポジションは会費も資格も要らない、最も安上がりな求心力だと言っていた。そもそも、日本人ファーストであるべきは当然で、「日本人セカンド」を主張する派閥は論外だとしても、私が気になるのは〝敢えて言うべき状況こそが問題である“という事。日本人ファースト以外は、国家的法益に対する罪ではないか。その上で排斥差別が起こらないようにすべきだ。尚、それをコマーシャリズムに用いるやり方も気に入らない。結局、私は何もかも気に入らないが、ポピュリズムこそが大衆動員の最短距離だ。

    さて、国家の総力について

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    2025年07月19日
  • 国家の総力(新潮新書)

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    中国による台湾有事を念頭に、安全保障の観点から食料、エネルギー、資源、経済の在り方を霞が関の元幹部たちが議論する。
    省庁は安全保障の観点に立って、政策を考える必要がある。台湾有事の最前線に立つのは、自衛隊かもしれませんが、食料、エネルギー確保はもちろん、食料自給率のアップも考えないといけない。
    経済面からも、安全保障に絡む分野には国が積極的に補助金を付与する必要がある。
    各省庁への自衛官や防衛省幹部たちの派遣や人事交流も大切だし、各組織が連動して有機的に動けるようにする。
    日本の力だけで、中国に対抗できなくなった現在、事態が発生した時に、生活がどれだけ制限されるのかを真剣に考えないとですな。

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    2024年09月27日
  • 国家の総力(新潮新書)

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    兼原さんが主催して対談するシリーズは結構あると思うんだけど、直接的な防衛だけでなく総合力での安全保障という観点で、エネルギー安保と食糧安保、シーレーン防衛、特定公共施設と通信、貿易と金融について、経産省、財務省、農林水産省、総務省、防衛省国土交通省出身の官僚OBと話す。
    有事への備えというか心構えのようなものは経済官庁の官僚も持つようになっているけど、訓練とかでの実体的な協力が少ないという現状がよくわかった。

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    2024年08月01日
  • 国家の総力(新潮新書)

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    エネルギー安保、食料安保、公共施設、海底ケーブル、経済安保、金融など安全保障の裾野が広がっており、課題が山積していることについて官庁OBが座談会形式で議論する。

    論点がわかりやすく提示されており、新たな課題もあれば昔からの課題もある。現代日本が抱える脆弱性がよくわかる一方、現役時代にもっと取り組んで下さいよ、との恨みも残る。

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    2024年07月03日
  • 官邸官僚が本音で語る権力の使い方(新潮新書)

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    官僚の最高峰の人間達による談話。官邸で総理の近くで働いていただけあり、国の危機管理に関する高い知見が得られる。
    トップクラスの官邸がいかに化け物じみた頭脳、教養の持ち主かが分かる。

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    2023年12月29日
  • 官邸官僚が本音で語る権力の使い方(新潮新書)

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    内閣の中枢に黒子として在籍した官僚および政治記者の座談。政権の描く方向性と現実の政策展開をどのように結びつけるのか、官僚機構の動作に対して、政治はどのようにコマンドするのか。1億人を超える国家の操舵操船は、一人や二人の頭脳と意志だけで成立するはずもなく、内閣官房・内閣府の複雑な機構と自律的な運動が必要であることがよくわかる。

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    2023年03月21日
  • 核兵器について、本音で話そう(新潮新書)

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    だめで、危険な議論だと思う(ウクライナ戦争のはじまったあとで読んでいるとなおさらのこと)。だけど、日本のトップにいる人たちがどうしてだめなのかを知るためにも必読の本だと思う。

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    2022年06月01日
  • 核兵器について、本音で話そう(新潮新書)

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    感想
    核兵器について丁寧で構成が整理された議論になっており、言葉も平易で読みやすい。4名の元政府関係者、元共同通信編集員、元陸上自衛隊陸将による対談形式であり、やや俯瞰的で総論的な議論ながら、それぞれの経歴上の経験も織り交ぜて話しており、具体と抽象のバランスも良い。
    アメリカとの同盟関係や核関連の条約の変遷を振り返った後、中国、ロシア、朝鮮半島、台湾といった地理的な領域及びサイバー宇宙領域を議論した上で、日本の核抑止論を議論している。
    当然のことながら、この一冊では最良の核戦略のようなものは結論が出ていない。日本が核を保有することの是非も含めて意見は分かれた。

    戦況による戦術核の使用を名言し

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    2022年05月06日
  • 核兵器について、本音で話そう(新潮新書)

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    非核三原則が有効だった時期もあったかと思うが、常に時代にあった制度に変えていかないといけない。目的は非核三原則を保持するのではなく、二度と被爆を体験しないことだ。

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    2022年04月22日
  • 核兵器について、本音で話そう(新潮新書)

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    核抑止と核不拡散を1セットで語る論理を理解できた。
    タブー視されているが、安全保障を考える上で核について議論、声を上げていくこと、まず国民レベルで考えていくことが重要だと感じた。

    世界中の国々の思惑や関係性も勉強でき、まさしくいま怒っているウクライナ危機に対するロシアの考えを知るにも良い一冊だった。

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    2022年03月31日
  • 核兵器について、本音で話そう(新潮新書)

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    ほぼ、強硬に徹する兼原氏の主張が、独りよがりしている印象。読んでいて、仮定と思い込みの主張で不安を煽っている姿に疑問を呈する。

    特に文中に良く現れていた決まり文句として「っと知り合いに言われた。」「~は、嫌いだからこう」っといった主観的な印象に過ぎないことを断言して主張する辺り、論客としての見識の程度が垣間見える。

    率直に言ってネトウヨの延長なところを感じて読んでいて、少し苛立ちを感じた。

    対しては、他三名は、さすが専門的な知識を伺える。現場で培った知識を丁寧に伝えておられる。

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    2025年03月26日
  • 官邸官僚が本音で語る権力の使い方(新潮新書)

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    対談するのは、兼原信克(1959年生まれ。元内閣官房副長官補)、佐々木豊成(1953年生まれ。元内閣官房副長官補)、曽我豪(1962年生まれ。朝日新聞編集委員)、高見澤將林(1955年生まれ。元内閣官房副長官補)という、間近に「権力の使い方」を見てきた面々だ。

    改めて調べると、権力とは、他人を支配し従わせる力のこと、とある。恐らくは、その力の動力源となるのが、「ルールや制度で認められた権威、決定権」「権威主義的スコアに裏付けられた影響力 (年齢、信用度、学歴、社会的地位など)」「(それらとやや重なるが)お金など他者の意思や自由を買うもの」「人事・動員力・数の力」「個人や集団の感情・同調性」「

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    2025年02月12日
  • 核兵器について、本音で話そう(新潮新書)

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    【感想】
    日本という国で「核戦略」はまともに議論できない、と私は思う。それは、日本が世界で唯一の被爆国であるからだ。「核兵器」というワードについて、凄惨な歴史を持つ私たちはどうしても拒否反応が激しくなり、核廃絶は絶対/核の平和的利用も認めない、という極端な論で立ち止まってしまう。もちろん核が根絶されれば一番良いのだが、だとしても現状、露・中・北朝鮮という核保有国に囲まれ、ミサイルの発射口を向けられている状況を静観しているだけでは、何も進展していかない。他国との関係において「戦略」としての核運用体制をどう構築していけばいいか。そのような地に足が着いた議論が今、求められている。

    そうした前提のも

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    2024年04月23日
  • 核兵器について、本音で話そう(新潮新書)

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    本書の中では、当然ロシアにも言及されるんだけど、凄いタイミングというか、座談会は侵攻前で、上梓は侵攻後というねじれが出来している。読む側は、実際に起こってしまったことを知っている訳で、少し妙な感じにはなるんだけど、同時に色々なタラればも思い浮かんでしまう。政府寄りの肩書を持っている各人の対話だから、必然的に政府寄りの意見に傾くのは仕方ないけど、かといって、見て見ぬ振りも出来ない話題だなってのを改めて実感。

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    2023年04月20日