加藤弘士のレビュー一覧
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電子書籍。「嫌われた監督」に続き監督ものということで。主人公は言わずと知れた名将:野村克也。選手時代は、ほとんど記憶にないですが、ヤクルトの監督になってから、その後の阪神、楽天と戦力に恵まれない状態での知将ぶりはよく知っています。が、途中のシダックス時代はあまりよく知らなかったので、この本でそれを知ることとなり、「あー。やっぱりノムさんは名将だったんだなあ」と思いました。選手のやる気を引き出す力。でもどこか人情味のあるところが、「この人は本当に野球が好きだったんだなあ。。。」と思いました。星野はノムさんのあとで阪神、楽天を優勝させた素晴らしい監督ですが、その前の土台を作ったという意味では、ノムさんの果たした役割は大きかったんだな。。。やっぱり。ところどころにのぞかせる人間味も含めて素晴らしい方だったなあと再度思いました。一度、JAPANの監督をやってほしかった。。。
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「2016年の文藝春秋」と「鬼才 伝説の編集人 齋藤十一」と「出版と権力 講談社と野間家の一一〇年」がほぼ同じタイミングで出版されたり、「一度きりの大泉の話」と「扉はひらく いくたびも-時代の証言者」のシンクロ出版とか(「一度きりの大泉の話」はその5年前の「少年の名はジルベール」のアンサーなので同タイミングっていえないのかもしれませんが…)、近接テーマの本が重なるってことがあります。今年の偶然は、野球監督。「嫌われた監督」に続いて「砂まみれの名将」読み終わりました。落合と野村の素材の違いだけでなく、取材者のアプローチの違いにも気になりますが、しかし相乗読書効果だけではなく、単独読書としても野村監督の不遇時代1140日は面白かったです。「野村克也引く野球はゼロだが、野村克也引く野村沙知代もまた、ゼロである。」ふたつの愛をまっとうする、したたかな高齢者生き残り戦略。キャリアの終わりは終わりじゃなく次のキャリアの始まりである、という人生100年時代のお手本だったりして。愛しぬいてる対象さえあれば、花は二度咲く、三度咲く、ということでしょうか?今晩、クライマックスシリーズでもう一勝すれば野村監督の薫陶を受けた高津監督が二年連続日本一近づくことになります。「財を遺すは下、仕事を遺すは中、人を遺すを上とす」といった野村監督、咲かせた花から次世代の種がこぼれ落ち、また花を咲かせています。そして、たぶんそれは月見草ではなく、もっと大きな花なのでしょう。そして言葉というものを真ん中に置いた時、「嫌われた監督」落合と「砂まみれの名将」野村は両極端に位置しますが、監督という仕事を選手自分で考えることを促す仕事と考えていたことは、相乗読書としての発見でした。
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1998年のシーズン後、野村は阪神タイガースの監督として迎えられる。しかしながら、1999年・2000年・2001年と監督就任以来、3年連続で最下位となる。翌年も留任することが発表されていたが、年末に沙知代夫人が脱税容疑で逮捕されたことを受け、2001年12月5日に辞任を発表した。阪神タイガースの監督になる前に、ヤクルトスワローズの監督として、弱小チームをセリーグ優勝、更には日本一にする等、監督としての評価の高かった野村にとって、阪神タイガースの監督時代は、非常に不本意な時代であった。辞任から1年後、野村は、社会人野球のシダックスの監督として招かれ、約3年間、監督として指揮をとり、社会人野球の大会で実績を残す。そして、2005年10月に楽天の監督に就任することが発表され、プロ野球の監督として復帰する。
本書は、野村のシダックス監督時代のことを書いたノンフィクション。副題の「野村克也の1140日」の1140日は、野村がシダックス監督として活動した期間を示している。
筆者の加藤弘士氏は、報知新聞の記者である。野村がシダックスの監督を務めていた時期に、報知新聞でアマチュア野球の担当をしており、そういった経緯で野村の取材を行い、その時のことを書籍に書き下ろしたのが本書である。
新聞記者だけあって文章は読みやすい。また、記者時代に取材で野村と密接な関係を築いていたため、色々なエピソードが本書の中で紹介されており、物語としては、面白く、すんなりと読み進めることが出来る。
しかしながら、ほぼ、淡々と事実関係を綴るのみであり、また、既に知られている「野村克也象」を超えるような記述はなく、読み終わった後、あまり何も残らない本であった。