大空幸星のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
大空幸星さんは、コメンテーターとしての姿しか知りませんでしたが、冷静でありながらも熱いものを感じる方で、古市さん以上に淡々と話されるイメージ。
爽やかなイケメンで、慶応卒で、在学中にNPO法人「あなたのいばしょ」を設立し、自殺防止に取り組まれていて、先日の選挙では25歳の若さで東京15区に立候補されて、比例で通ってましたよね。
そんなテレビで拝見している大空さんの姿からは、想像もできなかった過去に驚きました。
序盤に書かれていましたが、読み続けるには心がつらくなるほどのものです。
本書を読んで、これまで勝手な印象を抱いてしまっていたことを反省しました。
「孤独」の感じ方は人それぞれですが、ここまでつらい思いを経て今があるのだと思うと、その努力や葛藤は想像を絶するものがあります。
立ち上がることは簡単ではないですが、ご自身の経験を糧にして、周りのためにと活動されていることは本当に素晴らしいですね。
なんとなく「死にたい」と思うことは、多かれ少なかれあるのではないかなと。
その背景には「孤独」があって、決して一人で解決できるものではない。
子どもでも大人でも関係なく、しんどいと思った時には誰を頼ること、頼っていいんだってことを、みんなが知っていてほしいですね。
大空さんが出会えたような「信用できる大人」に、今悩んでいる子どもたちも出会えることを願って。
そして心に余裕がある人は、誰かの「信用できる相手」になれるように。
悲しい死がこれ以上増えないことを改めて願います。 -
Posted by ブクログ
虐待など壮絶な少年時代を送った著者の講演を聞いて本も読んでみた。著者がやっているNPO「あなたのいばしょ」の相談ではチャットも活用している。なぜなら、その無機質さが思いを素直に表出できることもあるからというような話を講演で聞き、ちょっと目からうろこが落ちるような思いになったことを覚えている。
相談というと電話、電話より対面のほうが親身になれていいものだと思い込んでいたが、彼の話を聞くと(特に現代においては)無機質な手段によるほうが素直に思いを表出できるものかもしれないと思うようになった。
ことほどさように、この本でもよくある論とは一筋違えた大空論が展開されていて、彼の境遇を思うと説得力がある。タイトルである「死んでもいいけど、死んじゃだめ」についても、「「死んでもいいなんて、けしからん」と怒る人がいますが、そういう人は、死を選びたくなるほどの苦しみを経験したことがないのだと思います。」(p.142)といって、最後の最後の出口を残しておきたいからだという。確かにすべてに絶望していながら死にたくても死ねないってつらいだろう。
死ぬの生きるのって、おためごかしじゃなくて、このくらいの信念で向かわなければいけないと目を開かせてくれる一冊だった。 -
Posted by ブクログ
『孤独は愛するものでも、人を強くするものでもない。孤独は社会的なつながりが不足している状態であり、そこから生起される孤独感は、誰かとのつながりをもとめている、身体のサインだ。愛することで乗り越えられるものでも、人を強くするものでもない』
・日本人は交通事故で亡くなる人よりも、自ら命を絶って亡くなる人のほうが圧倒的に多い。
・「子どもの自殺=いじめ」という固定観念が、子どもの自殺対策が進まない背景である。2020年の小中高生の自殺者数の原因動機の上位10項目に「いじめ」は入っていない。
・日本の若者(15〜39歳)の死因の1位は自殺。先進国では日本のみ。病気や交通事故で亡くなるよりも、自ら命を絶つ人のほうが多い。
・自殺相談率が高い都道府県は、自殺率のランキングでは軒並み下位に位置している。
例 相談率が最も高いの東京都は、自殺率では40位。相談率3位の京都府は自殺率では46位。相談率4位の神奈川県は自殺率は最も低い。
・「孤独は自己責任である」と答えた日本人の割合は44%。アメリカ人は23%、イギリス人は11%。
孤独が個人の問題とされていては、永遠に解決されない。
・孤独や自殺といった問題にまつわるスティグマ(負の烙印、汚名、不名誉、差別偏見の意)は、「頼ることは負け」「誰かに頼っているのを見られるのが恥ずかしい」といった感情を喚起させる。このスティグマにより、いくら支援体制を拡充し、民間団体を支援して頼れる人のパイを増やしたとしても、真に支援を必要としている人に届かないといった状況が起きてしまう。
著者は「望まない孤独をなくす」をミッションに掲げ、NPO法人『あなたのいばしょ』を立ち上げ、24時間365日年齢や性別を問わず誰でも無料匿名で利用できる相談窓口を運営している。
個人の問題とされていた孤独は、政治の力によって社会的課題へと広がった。このことは、孤独は個人がひとりで耐えるべき問題ではなく、社会的資源を割いて政治が取り組んでいくべきものだという意味でもある。
ただ、それだけではもはや間に合わない。
『他者が孤独を抱えている人に寄り添い、孤独が重症化しない社会をつくらなければならない』
日本に孤独担当大臣がいるのを知っていますか?