山田園子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『リヴァイアサン』で知られるトマス・ホッブズの晩年の著作。イングランド内戦を体験した年長者Aとそれに質問や合いの手を入れる若年者Bの対話篇という形式をとっている。イングランド内戦の歴史的経緯を追うといっても、史実を細かく列挙するのとは少し趣を異にしている(というか日付の間違いなどの指摘が訳注などでなされている)。むしろ、イングランド王国が崩壊し、主権の担い手が変遷し、最終的に王政復古によって秩序が回復していく経緯に因果論的説明を加えていくのが本書の主旨だといってよいだろう。その意味で、第一部は、内戦勃発の原因を聖職者集団に求めるあたり、教会の力と国家秩序確立の努力が相反するに至った17世紀の経