ファビオ・スタッシのレビュー一覧
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後半ではミステリー要素が漂うものの、ほぼ全編に文学的素養が詰め込まれ、実に豊かな読書体験となりました。これほど教養の何たるかを突きつけられたことはありません。このような会話をしてみたい、と心底思ったし、膨大な読書経験の中からこれと思う場面が引き出せるヴィンチェは尊敬しかできません。たくさん本を読んできましたが、自分の人生を象ってはいないなあ、としみじみ思ってしまいました。ミステリーばかり読んでるから仕方ないんですけどね。ヴィンチェの語りで文学の素晴らしさを改めて感じました。文学を学んでいた学生時代も思い起こされ、素敵な余韻に浸れました。こういう作品も読んでいきたいな、と思えています。そして、私もヴィンチェのドアを開けてみたいです。
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Posted by ブクログ
ネタバレ読書セラピストが次から次へと人々のお悩みを、本を処方することで華麗に解決していくのかと期待していた。そしたら、未熟な読書セラピストがカウンセリングに失敗ばかりしているお話だった。
期待外れ。
海外文学は読むけど、文章に海外文学特有のキザな言い回しも読む気を削いだ。
読むのを止めようかと思ったけど、もう8割まで読んでいた。
でも、ミステリーの部分が気になって、どんな結末を迎えるのか知りたくて、ページを進めた。
読んでよかった!そういうことだったのか!
それに途中途中、「失踪」をテーマに扱う『ウェイクフィールド』という作品が出てきたのは、そういうことだったのか!
と、二回膝を打った。 -
Posted by ブクログ
偉大なビブリオ本 主人公は、元国語教師。
登場人物は主人公も含めて皆悩み苦しんでいる。それぞれの人物にはそれぞれの事情があって、本を紹介することによってセラピーしていこうとするのだ。うまくいかなくて落ち込むこともある。
登場する本は、いずれも読んだことのない本ばかりだったが、主人公や彼の友達の本屋の店主による本の紹介や分析が素晴らしかった。
読書セラピストという職業が本当にあるのか調べてみたところ、イギリスでは政府公認。イスラエルでは国家資格になっているそうだ。英エセックス大学の研究によると、読書によって軽減されるストレスは68%で、音楽鑑賞やゲームなどよりも上回るそうだ。
イェール大学の研究チームによると、週に3時間以上読書をする人は、読まない人よりも死亡率が23%低いそうだ。
読書は素晴らしい! -
Posted by ブクログ
元国語教師のヴィンチェは、恋人と別れ、職もなく、ローマのワンルームで読書セラピーを開業する。
癖の強い女性客を相手に内心冷や汗をかきながら対応する日々。
そんな中、階下に住む、老婦人が失踪した。
警察や隣人たちは同居の夫が殺したのではと疑うが。
ヴィンチェは行きつけの本屋の友人から、失踪したパロディ夫人が残した小説のリストを手に入れ、彼女の失踪を考え始める。
心理的症状を緩和する本を薦める読書セラピストが、失踪した老婦人の謎にせまるというので、もっと淡々と冷静に展開していくかと思えば、生い立ちから彼女との確執とか悶々と長々と語られて、何度も挫けそうになった。
欧米文学もあまり読んでないから、詳しい人はもっともっと楽しめるんだろうなあ。続編もあるようだし。
「彼女の身体は、T.S.エリオットの『荒野』に劣らず荒れ果てていて、オフェーリアと同じ狂気を、あるいは五十九歳でウーズ川に身を投げたヴァージニア・ウルフの最後の視線、あるいは、マルデルプルタの波に身をゆだねたティチーノ州生まれの若き女性詩人、アルフォンシーナ・ストルニの最後の視線を含んでいた。
いくつもの溺死の例がぼくの心に浮かんできた。自宅プールに落ちるグレート・ギャッツビー、深淵に飲み込まれるエイハブ船長、身投げするマーティン・イーデン、首に石をつけられ沈むピノッキオ。」
「想像するとか、思うとか、違いないとか…自分が物語の語り手と同じ表現を使っているのに気がついてる?」