森望のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
いま日本は超高齢化社会とも人生百年時代ともいわれる。アンチエイジング、脳トレ、健康食、サプリメント。書店には数々の健康指南書に加えて、老化研究の解説書も多い。中には「老化は病気である」とするものもある。しかし、老化は病気ではない。老化が病気であれば、すべての老人が病人になってしまう。決してそうではない。サーチュインやラパマイシンだけで老化を克服できるわけではないし、それだけで老化のすべてが見通せるわけでもない。いかに長寿化サプリを追いかけても、老いの幸せは別のところにある。健康長寿を願うのはいい。しかし、目先のアンチエイジングに翻弄されずに、人生を大きくとらえて、身体の健康だけでなく、意識や脳
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Posted by ブクログ
寿命遺伝子、そんなものがあるのだろうか?
そんな疑念のもと、本書を読み始めた。
化学が苦手な人には挫折間違いない構成であるが、延々と続く解説や続々と登場する遺伝子名称に辟易することなく、遺伝子探索のドラマと見れば、醍醐味が感じられる。DNAの末端には、'テロメア'と呼ばれる部分があるが、細胞分裂のたびに、その長さが短縮されていき、遂には分裂が止まる。これが細胞の老化。体の各所でこの変化が起きているという事実。ヒトゲノムの解読の結果、人間の遺伝子数は3万個程度あることがわかったが、線虫やショウジョウバエでも2万数千個あり、大差がないという驚くべき事実。知性の仕組みの謎は深まる