谷口隆のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
子どもが算数の問題を解くとき、突拍子のない誤りをすることがある。大人にとっては意味不明な間違いでも子どもの思考プロセスを丁寧に想像してみると、全くの出鱈目を答えたのではなく、子どもなりの推論に基づいて答えを出していたことがわかる。子どもの算数の誤りを数学者の筆者が丁寧に解きほぐすことで、素朴な算数は多面的で意外な奥深さを持った算数となり、また、一見、ネガティブな印象を与える「誤り」が、知識を血肉化し深い理解へと到達するためのポジティブな道標として機能することを教えてくれる。
子どもの学習に対する関わり方や、誤りの価値について考えるのに適した良書である。 -
Posted by ブクログ
子どもの思考回路を覗き見るヒントが満載の本でした。
「たまごが7こありました。なんこかつかったあと見たら、のこりは2こでした。なんこつかったでしょう。」
子どもは答えの欄に [5こ] と書く。
この問題には"答えをもとめる式"の欄もある。
そこに子どもは、[ 7 - 5 = 2 ] と書いた。
期待した正解は [ 7 - 2 = 5 ] だったのだが、これは"答えをもとめる式"としては不正解なのだろうか?
「3cmの本を並べたら18cmになった。何冊並べたか。」という問いに対しては、
子どもは少し時間がかかったが正しく [ 6冊 ] と正解した。