花房尚作のレビュー一覧
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そこそこ納得できた。
地方論や他には農業の話などでは、結局のところわからないものが多かった。
地域の仕方があるといっても、漁業などで獲れる時には獲ってしまうなどの癖はなんとかした方がいいと思うのだが、どうだろう。何も浮かばない。
そこで考えていると、地方がというだけでなく現代の問題も感じた。自分で考えを変えられないのならネットで知が広がっても偏るだけ、セルフフィルターバブルで拡大するだけ。謙虚さがないのなら、情報インフラが拡大してもどうしようもない。これが分断の世界なのだろうし。
そんな中にいる現在の人々には、どうしようもないことのようにも思えた。
地方にいくと、今の子供はもっと図太くたくまし -
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この本を読んで膝を打ってしまうアナタは、登場する「田舎のヒト」に似たキャラクターの人物に日々悩まされていて、「そう、そのとおり。やっぱり思っていたとおりなんだ」と溜飲を下げるカタルシスを感じているだけかもしれない。
田舎者は、自分たちのしきたりやルールを教えないことによって外部の人を藁人形扱いする。自分はできるだけ悠然としつつ、他人に汗をかかせ責任をとらせる行動が染み付いている。マイルールを勝手に拵え、他人には過剰干渉して押し付けるが、自分が言われたら往々にしてつむじを曲げる・・。ものごとは曖昧にしておくことを上とし、年長者を立て、恥を欠かせないように若いものが苦労する・・。
いや、これは別に -
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国主導で様々な地域発展の施策が行われてきたが、中央集権的な発想による都市部の考え方の押し付けであり、地方が独自に考える地方のあり方を目指してはどうかという提言だった。
地方は変わりたくないが、変わらないと地方は消滅するぞという、なかば脅迫めいた思考が蔓延る。地方に補助金を落とすために必要なことなのだろうが、ちぐはぐな感じが否めない。
本当に変わりたいという志がある地方に必要なお金が回るように、地方がそれぞれのあるべき姿を目指した取り組みにお金を使えるように、画一的な補助の仕組みではなく、柔軟なあり方が検討されるべきではないかと思う。
また補助だけでなく、地方で活躍するプレーヤーを見つける -
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■ Before(本の選定理由)
気を引くタイトル。地方出身の自分としても、そういう面はあると思う。さてどんな内容だろう。
■ 気づき
文化人類学的な視点というか、実際にそこに住んでいる著者が語るから説得力がある。
"大勢に紛れることができず、常に「表」でいることの環境は、中学生以降に弊害の方が大きくなる。都会では多様な人と関わり、裏表を意識するから思考が柔軟で、その気になれば一流の人と触れ合うことができる。"
その通りだと感じた。あの閉塞感から逃れたかった。
■ Todo
地方活性化は雇用の面で必要だと思うが、豊かな過疎地域、というのは補助金ではどうにもならず、結局 -
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著者は、様々な技能を持つ有資格者。 鹿児島の過疎地に住む。
都会人がイメージする田舎、調査した田舎と実際に住んでみた田舎には大きな違いがある。 政府が掲げる「地域活性化」を、過疎地の人達は本当に望んでいるのかがテーマ。 都会に住む知識人が見た田舎は、ある意味理想郷に見えるので、称えたりポジティブな評価をしたりするけれど、長く生活してみると田舎特有のいやらしさがあるという。
田舎者の事例として、変化を好まない、責任を取らない、人に押し付ける、仕事の改善意識がない、仕事の丸投げ、引き継ぎをしない、失敗を責める、会社は年功序列が当たり前、田舎の小さな会社は基本的にブラック企業、労働基準法の遵守意識が -
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本書は世間一般にいう田舎のポジティブなイメージに苦言を呈している。田舎は穏やかで落ち着いたものだというイメージが都会では一人歩きしているが実際はそうではない。田舎は変化を嫌い、全てが内側に向いている世界であるというのが本書の主張である。本書のテーマの一つである地域の活性化について、田舎を外側に持ってこようとする都会の人間と、変化を嫌う田舎の人間とで対立構造を作っており、そもそも地域活性化は必要なのかということについて述べられている。
非常に興味深い本であり、主張も一貫していて説得力があった。しかし後半同じような内容が繰り返されており、内容の展開が足りないように感じたため評価は星4とする。 -
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田舎(過疎地域)を活性化させるべきだと主張するなら、実際に田舎で暮らしてみてはどうか。田舎を理想化して高見から語るのではなく、田舎の保守性と閉鎖性を押し付けられることを通じて、そこにある”いやらしさ”を知る努力をしてみてはどうか。p.259
田舎(過疎地域)を扱う研究者のほとんどは、都市にある大学などに所属して、普段から利便性の高い都市で暮らし、都市の行動様式をもつ人と触れ合っている。田舎の人との触れ合いは、公務員や地元企業に限られており、田舎の一般の人々が持ついやらしさや泥臭さといった情動に触れることなく田舎を”研究”している。p.130 -
Posted by ブクログ
外国や東京で暮らした後、両親の住む過疎地域へ戻ってきた著者が抱いた違和感を明け透けなく書き留め、地域活性化への疑問を投げ掛ける。
スローモー、変化を嫌う、独自性や生産性を求めない、情感に価値を置くなど、著者はこれでもかというほど「田舎のいやらしさ」を列挙する。
地方に住む自分にも確かに思い当たるところはある。だが、この本の中では「田舎」と「過疎地域」がごちゃごちゃに語られているようで、若い人もある程度住んでいる「田舎」には当てはまらない部分もある。
また、著者が語る過疎地域の活性化不要論については、確かに不合理で非効率な行政施策が多いことは認めるが、自然のままに廃れ、寂れ、緩やかな後退を目指す