あらすじ
日本の国土に占める過疎地域の割合は約60%。「田舎は危機的状況にある」「過疎地域は悲惨」――。「田舎=過疎地域」にはネガティブな言説が付いてまわる。しかし、こうした言説の多くは「都心の思考」で発信され、「都市部の都合」を田舎に押しつけている。だが、田舎は本当に悲惨なのか? 都会の思考とは異なる合理性に裏打ちされた「田舎の思考」を明らかにし、過疎地域で暮らす人びとの日常を通して日本の未来を考える。
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Posted by ブクログ
独善的な考えにならないためにも、地方創生やまちおこし、地方移住に関心がある方には一度読んでいただきたい一冊です。
過疎地域対策としてのこれまでの国の政策などについても勉強になる内容でした。
Posted by ブクログ
そこそこ納得できた。
地方論や他には農業の話などでは、結局のところわからないものが多かった。
地域の仕方があるといっても、漁業などで獲れる時には獲ってしまうなどの癖はなんとかした方がいいと思うのだが、どうだろう。何も浮かばない。
そこで考えていると、地方がというだけでなく現代の問題も感じた。自分で考えを変えられないのならネットで知が広がっても偏るだけ、セルフフィルターバブルで拡大するだけ。謙虚さがないのなら、情報インフラが拡大してもどうしようもない。これが分断の世界なのだろうし。
そんな中にいる現在の人々には、どうしようもないことのようにも思えた。
地方にいくと、今の子供はもっと図太くたくましくなればいいといった考えを聞くことがある。これでは、、、、
Posted by ブクログ
国主導で様々な地域発展の施策が行われてきたが、中央集権的な発想による都市部の考え方の押し付けであり、地方が独自に考える地方のあり方を目指してはどうかという提言だった。
地方は変わりたくないが、変わらないと地方は消滅するぞという、なかば脅迫めいた思考が蔓延る。地方に補助金を落とすために必要なことなのだろうが、ちぐはぐな感じが否めない。
本当に変わりたいという志がある地方に必要なお金が回るように、地方がそれぞれのあるべき姿を目指した取り組みにお金を使えるように、画一的な補助の仕組みではなく、柔軟なあり方が検討されるべきではないかと思う。
また補助だけでなく、地方で活躍するプレーヤーを見つける、育てる制度の拡充もぜひお願いしたいと思う。
Posted by ブクログ
北陸地方出身で地元が嫌で嫌で仕方なく上京してきた人間としては、田舎の現状や住民の思考、生活様式の説明に頷くばかり。ハッキリ言って地元をバカにし続けてきた私だが、本著で都会と地方それぞれの思考を尊重する重要性がよく理解できた。やや印象論に終始する箇所はあったが、少なくとも私は著者の主張は全くの事実で、最後の提言には胸の空く思いがした。
Posted by ブクログ
停滞保守的閉鎖的因習的そんな田舎を活性化させよう、という視点自体が都会的な見方でしかなく、田舎は田舎で現状に満足している。革新は都会で行い、それぞれが満足する方向で暮らしていくという選択肢の提案。
デジタル化、生活や農業活用地域と自然地域との再構築、相互の見方を認識すること、補助金の使い方の再検討、といったところか。
地方分権により地方にそれなりに意志と指導力強制力のようなものは必要だろうか。
対馬に続いて田舎の気持ち悪さがみえる