ウィリアム・プルーイットのレビュー一覧

  • ヤマケイ文庫 極北の動物誌

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    ネタバレ

    私も、星野道夫の愛読書ときいててにとったひとりである。トウヒ、アカリス、ハタネズミ。ノウサギ、オオヤマネコ、オオカミ、カリブー、ムース、ムースの民。極北独特の生態系を、緻密な眼で観察しつづけた結果のーー研究者である著者のまさにその集大成が、生き生きと描き出されてある。いきものたちのやりとりであるから、どきりとするようなシーンももちろんある。ネズミがイタチに頭をかみ砕かれるとか。けれどそれはいきものの、極北という環境に合わせて培われた生き方で。さらに、その草木たち雪たちと途方もないときを共存してきたかれらに対し、南部の侵入者たちが行った破壊にくらべられるような蛮行ではありえない。
    著者は核開発実

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    2022年03月26日
  • ヤマケイ文庫 極北の動物誌

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    星野道夫の愛読書だったと知り読んでみた。
    第1章「旅をする木」は星野道夫のエッセイのタイトルにもなっている。
    一粒のトウヒの種子が大木となり氷や川にもまれながら長い年月をかけて朽ちるまでを描いた物語は、極北の壮大な自然やゆっくり流れている時間の流れを感じさせる。


    ハタネズミ、オオカミ、ムース、ノウサギ、オオヤマネコ、カリブーなどの極北の動物たちが登場する。
    それぞれの物語は動物の目線から描かれており、動物学者ならではの綿密な観察に裏付けられた、動物たちの描写が新鮮で面白い。
    寒い冬に雪の中でぬくぬく過ごす時間、嗅覚や聴力を働かせて察知する危険、生きるために獲物を狙う緊張感、繁殖の時期には雄

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    2022年03月25日
  • ヤマケイ文庫 極北の動物誌

    Posted by ブクログ

    "Animals of the North" by William O. Pruitt. Jr. 1960
    岩本正恵・訳
    しみじみと読める、良い本です。
    日本語訳の文庫で発売されたので、入手。
    以前テキストで使ったことがあるけど、そんなにメジャーな本でもなかった記憶が。
    とても簡単で初級クラスのテキストで使えます。その上に、わからん単語もちゃんと出てきてくれるので、わからない言葉を前後で意味を類推する練習にもとても良い。
    ともかく、本書、1960年代の書ではあるので、一昔前の文学ではあるので、若い子には古臭い文体かもしれんが、帯の煽りで古典というには新しすぎるかねぇ。
    アラ

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    2022年02月22日