ヴィタリ・ユシュマノフのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
紹介されている料理はそこそこ量があるが、調理法や食材のバリエーションがこれまでに読んだ様々な料理本と比べると極端に少なくて驚いた。
かなりの数のレシピが、牛肉、にんじん、玉ねぎ、ジャガイモを一緒に煮る程度のもの。
広大な国土と長い歴史を持つ割に極端に食のバリエーションが貧弱なのは、寒い地域であること、極端な貧富の差の存在、ソ連の計画経済などが絡んでいるのだろう。
本書では歴史的経緯も紹介されているのでそういった背景が読み取れてかなり良い。
再現してみるかと言えば、結構厳しい。ハードルとしてはほとんどの料理に牛肉が使われていることと、長時間煮込む料理が非常に多い点が上がる。原価が高くなってしまうのだ。その割に、野菜と一緒に煮込む、ミキサーで混ぜたりして細かくしたのを団子にしたりキャベツに包んだりはするが、味付けはほとんど塩コショウかマヨネーズと、味の想像がついてしまう。
料理がそこまで洗練されていないのは、例えば豚肉、鶏肉、臓物、ジビエなどが全く登場しないことだとか、フルーツ、発酵食品、独自の調味料、風味の強い酒類、スパイスなどがないことも影響していそうだ。
食文化の成長には、外部との交易が大きな影響を及ぼすことを痛感出来た。
また食が豊かな日本とイタリアに共通するのは南北に長い国土を持つことだと言われているが、確かにそうなのかもしれない。