斎藤淳子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
夫婦別姓について、英国、フランス、ドイツ、ベルギー、米国、中国、韓国の状況をその土地で暮らす女性が作成した記事をまとめた本。
こうなってくると、スペイン・ポルトガルや中南米の国々、インドやアフリカ、ロシアも知りたくなる。
第II部で夫婦別姓を賛成する司法・国会・経済界のメンバーの座談会があるが、別姓寄りにバイアスがかかった議論に思った。
とは言え、本書の通りプラグマティック(実務的)に考えるなら、一人に1つの姓が良く、旧姓の通称使用は無駄。結婚による改姓手続きも無駄。
DX(デジタルトランスフォーメーション)だ、日本人の労働生産性向上だと言うなら、誕生時の姓を使い続ける社会的な効率化を前提に -
Posted by ブクログ
私は夫婦別姓賛成派だけど、日本は家族の絆が失われるという抽象的理由でなかなか別姓が進まない。
海外で別姓を導入している国々の実情をこの本で学ぶ事で、夫婦別姓の問題点や必要性を理解する事ができ、大変勉強になった。
まずやはり別姓を導入しても家族の絆は失われる事はないと実感。
ただ問題点としては子供の姓をどうするか。
父にするか母にするか。連結姓という制度を導入するのもありだとは思うけど、代が経る毎にどんどん連結していけば姓が長くなってしまう問題が生じてくる。
また子供と姓が違う場合に、親子だと証明するのが難しい事があるので、そういう場合の対応をどうするかというところが問題かな。
後は制度が導入さ -
Posted by ブクログ
2010年代に、夫婦別姓が選択できない国は日本だけになった。
2015年最高裁で合憲判断が下された。
その後もさまざまな論点で訴訟が提起されるが、家裁申し立ては棄却、地裁提訴も棄却となり、司法による解決はなされていない。
与党自民党の中でも、緩やかな別姓を認容する意見が出ている。
各新聞社等の調査によっても、やりたい人はやればいい、という意見があるにも関わらず、司法、立法の場では救われていないのが現状である。
一部強権派が家族の繋がりだとか日本の伝統ということを前面に出し、反対している。
本書はイギリス、フランス、ドイツ、ベルギー、アメリカ、中国、韓国の7カ国に居住しているジャーナリストた -
Posted by ブクログ
“日本では若い女性、また「物申さない」 控えめな女性が好まれていると、里帰りするたびに実感する。科学番組でもドイツなら女性の科学者や司会者がばりばり発言しており、日本のように若い女性が年配男性の解説に「えー、そうなんですか」と相槌を打つだけという光景はほとんど見ない。そのような光景があちこちで繰り返されることで、それが当然という刷り込み が社会全体に広まる。”(p.121)
“たしかに、「なんでも二択」のような設定は、今の社会には合わないだろう。「姓」にも「性」にも、もっと自由があっていい。現実が牽引する自由に、法制度が追いつけていない。”(p.264) -
Posted by ブクログ
2021年の衆議院選挙のときに争点のひとつとなった「選択的夫婦別姓」。結果としては、すぐに夫婦別姓を推進するほどの票差ではなく、まだまだ道のりは遠いなと感じました。
私が20代のころは「あんたが結婚するころには夫婦別姓が選べるようになってる」と言われたのですが、結婚もしなかったけど、夫婦別姓も実現してないですね。
当時の同級生たちは次々と結婚して名前が変わり、すでに結婚後の苗字のほうが長くなっている人も。彼女たちに葛藤があったのかなかったのかは知りませんが、年賀状とかくるたびに旧姓も書いてくれないと誰が誰だかすぐにはわかんないなと思っておりました。
そんななかで一人、イギリス人と結