ボー・スヴェーンストレムのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
最初は翻訳が固くて読みにくいスタートとなったが、徐々にこなれてきたのと物語が面白すぎて、ページを繰る手が止まらなくなった。
全体が三部構成となっている。第一部では、ろくでもない犯罪者たちが、世にも残酷な方法で殺されてゆく連続殺人事件という派手なスタート。追跡し始める捜査陣のヒーローと癖のありそうな男女の刑事、報道陣のヒロインとその経歴などの独特な個性を、通り一遍ではなく語ってゆく丁寧な章で、実に良い感じ。第二部は、事件を犯罪者側の一人称で語ったものなので、いきなり犯人がわかってしまうから、間違えても巻半ばを開いて飛ばし読みしてはいけない! そして第一部と第二部を合わせて、さらにひと捩じり -
Posted by ブクログ
ボー・スヴェーンストレム『犠牲者の犠牲者』ハーパーBOOKS。
『犠牲者の犠牲者』という不思議なタイトルのスウェーデン・ミステリー。なかなか面白いが、御都合主義が気になるところ。一連の連続殺人事件は過去の事件の犠牲者による復讐なのか。予想外の二転三転の展開が続き、タイトルの本当の意味が明らかになる。
第一部の冒頭から陰惨な描写が続き、登場人物たちの背景と共に被害者は全て犯罪者という異様な連続殺人事件の展開が綴られる。次々と7人にも及ぶ犠牲者が出たにも関わらず、警察はなかなか犯人に辿り着けない。時折、本編に挿入される幼い姉妹の奇妙な物語。語り手の妹が犯人なのか……
第二部に入るとすぐに犯人 -
Posted by ブクログ
ネタバレ2024年1冊目。
長編北欧ミステリということで、期待して読み始めました。
第一部は振り回され系刑事なカールに共感しつつ、事件発覚→捜査→また事件→進まない捜査の繰り返しにやや冗長さを感じる。
刑事メンバーの掘り下げはやや中途半端で、単純にキャラクター紹介としての説明文になっていたのが残念。
第二部のアレクサンドラパートは「親から受けた教育の犠牲者」である彼女、「毒親の連鎖」の問題提起、記憶を失っている描写から信用できない語り手であること、もうひとりの犯人の存在などなどてんこ盛り。
もうひとりの犯人は「整形手術」「警察関係者」のキーワードからわりと早い段階で予想できてしまった。
シーモンと -
Posted by ブクログ
北欧ミステリーに残虐な描写はよくあるが、この本は中でも群を抜いた残虐さで読んでいて辛かった。
それでも第一部は警察が丁寧に事件を追っていく様が面白く、第二部では犯人の辛い記憶が描かれていてどんどん引き込まれた。
しかしラストの急展開には置いてけぼり感が否めない。
姉はきっとこの人なんだろうなというのが途中から分かったし、終わり方は正直好きではないかも。
カールは北欧ミステリーによく出てくる中年のプライベートが冴えない警部という感じで好感は持てたものの、もう少しラストまで彼に戦って欲しかった。
これがデビュー作とのことなので、今後色々語られるのだろうが…
続編が出たら読んでみたい。