ボー・スヴェーンストレムのレビュー一覧

  • 犠牲者の犠牲者

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     最初は翻訳が固くて読みにくいスタートとなったが、徐々にこなれてきたのと物語が面白すぎて、ページを繰る手が止まらなくなった。

     全体が三部構成となっている。第一部では、ろくでもない犯罪者たちが、世にも残酷な方法で殺されてゆく連続殺人事件という派手なスタート。追跡し始める捜査陣のヒーローと癖のありそうな男女の刑事、報道陣のヒロインとその経歴などの独特な個性を、通り一遍ではなく語ってゆく丁寧な章で、実に良い感じ。第二部は、事件を犯罪者側の一人称で語ったものなので、いきなり犯人がわかってしまうから、間違えても巻半ばを開いて飛ばし読みしてはいけない! そして第一部と第二部を合わせて、さらにひと捩じり

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    2022年01月28日
  • 犠牲者の犠牲者

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    ネタバレ

    猟奇的な犯罪に対して警察が地道に捜査活動を進めていく第一部の終盤で犯行の真相に迫っていよいよと思わせるが、第二部ではガラリと趣向が変わって犯人が語り手となり最後の犠牲者を追い始めるのだがあえなく返り討ちに遭ってしまう。そして第三部でとうとう真犯人が逮捕目前となるのだが、些細と思われていた証拠により全てがひっくり返る。読みづらい凝った構成こそが肝であることが最後に納得できる作品である。

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    2022年06月04日
  • 犠牲者の犠牲者

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    680ページに及ぶ長編ミステリー。のっけからおぞましい惨殺死体の場面が続いて、デリケートな人にはとても無理な展開。私も繊細だが(苦笑)それを上回るキャラクターの巧さに惹かれて読み続ける事ができた。半ば辺りで犯人が想像できたが、これがとんでもないミスリードを促す伏線とは‥最後まで不気味な味わいを残した。

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    2022年02月09日
  • 犠牲者の犠牲者

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    犯行現場が凄まじい様相で、こんなやり方ある?というくらい。第一部はそんな感じで痛いような場面と警察の捜査場面が交錯してハラハラし通し。フラグ立ちまくってるので二部に入る前にだいたいわかっちゃいますね。さまざまな心理描写を経て三部へ。えー、と思う一方でやっぱりね、だからか、など不思議な気分に包まれました。作者デビュー作、ということもあって若干荒削り。そして、こんなラストでほんとに大丈夫?と不安になったりも。しかし約700ページの大作、惹きつける力量は十分。これからも注目したい作家さんです。

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    2021年12月13日
  • 犠牲者の犠牲者

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    ボー・スヴェーンストレム『犠牲者の犠牲者』ハーパーBOOKS。

    『犠牲者の犠牲者』という不思議なタイトルのスウェーデン・ミステリー。なかなか面白いが、御都合主義が気になるところ。一連の連続殺人事件は過去の事件の犠牲者による復讐なのか。予想外の二転三転の展開が続き、タイトルの本当の意味が明らかになる。

    第一部の冒頭から陰惨な描写が続き、登場人物たちの背景と共に被害者は全て犯罪者という異様な連続殺人事件の展開が綴られる。次々と7人にも及ぶ犠牲者が出たにも関わらず、警察はなかなか犯人に辿り着けない。時折、本編に挿入される幼い姉妹の奇妙な物語。語り手の妹が犯人なのか……

    第二部に入るとすぐに犯人

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    2021年11月21日
  • 犠牲者の犠牲者

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    長編ミステリーだけど飽きることなく最後までスラスラと読み進めることができた。
    最後の最後でそういうオチかと納得するところもありよくできているなと思った。

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    2025年12月11日
  • 犠牲者の犠牲者

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    ネタバレ

    2024年1冊目。
    長編北欧ミステリということで、期待して読み始めました。
    第一部は振り回され系刑事なカールに共感しつつ、事件発覚→捜査→また事件→進まない捜査の繰り返しにやや冗長さを感じる。
    刑事メンバーの掘り下げはやや中途半端で、単純にキャラクター紹介としての説明文になっていたのが残念。

    第二部のアレクサンドラパートは「親から受けた教育の犠牲者」である彼女、「毒親の連鎖」の問題提起、記憶を失っている描写から信用できない語り手であること、もうひとりの犯人の存在などなどてんこ盛り。
    もうひとりの犯人は「整形手術」「警察関係者」のキーワードからわりと早い段階で予想できてしまった。

    シーモンと

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    2024年02月01日
  • 犠牲者の犠牲者

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    ネタバレ

    登場人物に魅力がないなあ、警察がめちゃくちゃ無能だなと思っていたら脇役だったからなんですね。やたら主人公やカールが脳内で「こいつは苦手」「この人は嫌い」と思うような人物が多すぎて読んでいてイライラしてしまった。現実でもレイプ犯がこのくらいの制裁を受けたら少しは気が晴れるかもしれないがそれでも傷は癒えないんだろう、、、このくらいの復讐心を持たれること知っておいて欲しいと思ったりした。

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    2022年09月13日
  • 犠牲者の犠牲者

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    後半急激に面白くなってきたような気がしたけどそうでもなかった。
    名探偵カッレくんネタが出てきてなごんだ。
    伏線かと思ったことほとんど全部ただのエピソードだった。
    うーん〜

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    2022年07月27日
  • 犠牲者の犠牲者

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    北欧ミステリーに残虐な描写はよくあるが、この本は中でも群を抜いた残虐さで読んでいて辛かった。
    それでも第一部は警察が丁寧に事件を追っていく様が面白く、第二部では犯人の辛い記憶が描かれていてどんどん引き込まれた。
    しかしラストの急展開には置いてけぼり感が否めない。
    姉はきっとこの人なんだろうなというのが途中から分かったし、終わり方は正直好きではないかも。
    カールは北欧ミステリーによく出てくる中年のプライベートが冴えない警部という感じで好感は持てたものの、もう少しラストまで彼に戦って欲しかった。
    これがデビュー作とのことなので、今後色々語られるのだろうが…
    続編が出たら読んでみたい。

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    2022年01月31日
  • 犠牲者の犠牲者

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    スウェーデン発のミステリー作品。北欧らしさを過度に濃縮した残虐描写は読み手を選びそうだ。読み進める内に「その女アレックス」や「そしてミランダを殺す」といった作品群がどうしても頭に浮かぶので、オリジナリティは然程感じられず、共犯者の正体も第二部の序盤で早々に察しが付く。グレーな結末にも関わらず、本国で続編が刊行されているのも何だか<グレーンス警部>シリーズみたいだ。決して悪い作品ではないが、既視感があり過ぎて新鮮味が全く感じられなかったというのが率直な感想だったり。ちなみにこの不思議な邦題は原題通りだとか。

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    2021年12月26日