浅井祥仁のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2012年7月に最後に残った「神の素粒子」といわれている「ヒッグス粒子」の世紀の発見に、世界中が湧いた。以前から興味のあった素粒子の世界や宇宙の始まりの研究にまたチャレンジしようと思って、読んだ。相変わらず素粒子の世界は常識が通用しない世界であるらしい。ビッグバンは宇宙の誕生から10のマイナス34乗秒に起こった。その時の宇宙の大きさは10mぐらいだったのが、10のマイナス12乗秒後には1京度(10の16乗度)に冷えて、更に10のマイナス10乗秒には現在の宇宙の状態ができた。その頃にヒッグス粒子も誕生して、素粒子に質量を与えた。スイスの巨大加速器LHC(山の手線の大きさ)では、陽子同士を光速の近くまで加速し衝突させて、このビッグバンの状態を再現している。この実験は1100兆回行い500回程度「ヒッグス粒子」の痕跡を調査し、99.9999%の確率で「ヒッグス粒子」の質量を126ギガ電子ボルトと発見した。ヒッグス粒子は10のマイナス21乗秒で光2個(その他多数の崩壊パターンがある)に変化しその先電子と陽電子(反物質)に変化する。この電子・陽電子のエネルギー・飛んでいく方向を測定することにより、「ヒッグス粒子」の質量を計算する。この変化の過程が、興味津々である。
①ごく短い時間では、質量保存の法則や、その他の物理法則に則らない、奇妙が現象がおきる。光が電子と陽電子に変化するのも、質量保存則を破っているが、10のマイナス26乗秒の極短い時間は許される。それらはすぐまた光に戻ってしまう。
②そもそも反粒子は存在するが、素粒子が時間を遡って運動しているときだけ反粒子と定義したもの。これも極短い時間内でウソが許される素粒子の世界のだから許されるのである。
③この宇宙は三次元ではなく、時間を入れた四次元でもなく、11次元である。重力を他の3つの力(電磁気力・強い力・弱い力)と統一するためには、次元を増やす必要がある。重力が他の力に比べて10の何十乗も弱いのは、重力子(重力を伝える素粒子・未発見)だけが11次元を行き来できるので四次元の世界に漏れている力が非常に弱くなっている。その他の素粒子は四次元から抜け出せない。(超ヒモ理論)
・インフレーションとビッグバンが宇宙の始まり
・反物質は物質が時間を逆行する状態のこと
・素粒子はウソをつく
・シュレディンガーの猫(箱に入った猫が生きてるか、死んでるかは観測者がふたを開けたときに決定する。つまり、観測者が現象に関与している)
・宇宙の全質量の97%は解明されていない未発見の暗黒物質で満たされている⇒超対称性粒子の可能性がある
・宇宙は10~11次元もあり、5次元以降は小さい空間に丸め込まれている
(超ヒモ理論・大統一理論)
・幾つのもの奇跡が重なりこの宇宙が形成された。プランク定数・宇宙定数・ビッグバン・素粒子の誕生・原子の誕生・重元素の誕生・大気と海・生物の誕生全てが針の穴を通す以上の極少の確率
⇒これなどは、人類が生存できるように、神が宇宙の定数を微妙に制御したとしか思えないと、多くの学者が言っている。逆に自然定数を振った無限の別宇宙が出来ては消え、たまたま我々はこの宇宙に生を受けた、多元宇宙論をとる学者も多い。
日常生活になんの影響もない、素粒子の世界のはなしだが、SFや超常現象以上の不思議な世界から私たち宇宙や地球、植物、生物、人間が出来ているとおもうと、うかうかしていられない。一方人間の身体は60兆個の細胞の集合体で、それぞれの細胞は1年周期で生まれ変わっている。脳でコントロールしているわけでもない。自立してDNAの命令によって破壊され、生成されている。なせ人間の身体を維持しているのか?奇跡の体と心を授かって我らは生きていると思わざるを得ない。とにかく自分を大切に、生きとし生けるものにも同様の気持ちで接しなければいけないと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ・正確には、質量は何かというと、ふた通りの定義のしかたがあります。ひとつは、光のスピードからどのくらい遅くなるかを示す量のことです。「慣性質量」と呼ばれています。質量にはもうひとつ、「重力質量」というのがあって、こちらがいわゆる「重さ」です。このふたつが非常に高い精度で一致していることが実験から分かっています。この理由はまだ不明ですが、一般性相対理論を支持する「等価原理」のひとつです。
・宇宙誕生直後に温度が下がって、平均してゼロになった時に何かが起こった。何が起こったかというと、それまで何もなかった真空がヒッグス場に満たされ、エネルギーが低くなったのです。
だから、平均したら何もないのではなく、ヒッグス場があった方が、エネルギーが低くなります。自然は、エネルギーが低い方を選ぶので、この状態が真空の環境になったわけです。
するとこのような真空ではどのようなことが起こるでしょうか。
力を伝える素粒子に、弱い力を伝えるW粒子とZ粒子、強い力を伝えるグルーオン、そして電磁気力を伝える光(光子)があることはすでにお話ししました。我々の住んでいる環境(=真空)は、弱い力に満たされている変な状態なので、W粒子・Z粒子が質量を持っている訳です。
だから、素粒子は今でも性質として質量がゼロです。しかし、真空という環境が変わったために、その中を運動していると質量を持ったように見えているのです。
では、それぞれの素粒子の質量の違いはどうして生まれるのでしょうか。
真空がヒッグス場に満たされ、ヒッグス粒子みたいなのがいっぱいいるわけだから、運動していくとぶつかります。
トップクォークは非常によくヒッグス粒子とくっつくので、何度もぶつかって進んでいかなくなります。電子はたまにぶつかるだけなので、そんなに減速されません。ニュートリノはほとんどぶつからないので、そのままスーッと通り抜けていきます。
・2011年頭から2012年6月までの1100兆回の衝突の中から、光が2個出ている現象を探し、計算して求めた質量分布を取ってみます。この時、二つの光は質量としてはまったくランダムに分布しています。ところが、もしヒッグス粒子から光がきたとすると、ヒッグス粒子はひとつの質量を持っているので、その質量のところに山が見えるわけです。
…この質量のところの山が、バックグラウンド現象という他の現象で生じる光の発生と比較して標準偏差シグマの5倍以上になるのを「5シグマ」といい、私たちは発見と呼んでいます。5シグマだと、たまたまふらついてこの数になってしまう確率がだいたい100万分の1以下です。 -
Posted by ブクログ
噂のヒッグス粒子モノ本第二弾だ。著者はヒッグス粒子の研究に携わっているバリバリの東大教授であり、素粒子論の基礎・CERNの実験施設・ヒッグス粒子の役割などなど全般をコンパクトに纏めている。
そもそも素粒子論は研究者にとっても判り難い、と評判の理論であり素人の手に負えないのは百も承知なのだから逆に大胆な切捨て、省略で簡略にしなければ中々説明が身につかないものだ。その意味で素粒子がエネルギー保存の法則を一時的に破る、という当たりで「ウソをつく」という表現にしたりして工夫を加えている(個人的には他の本で使われている「借金をしても良い」の説明のほうがしっくり来るが)。
その流れからの説明でヒッグス場を「お母さんの論理」とも説明している。要するに「うちの子は悪くない、友達が悪い」とは良く聞く話だが、ここでいうのは「本来の素粒子は質量もなく光速で飛び交うのだが、それを妨げる環境が質量にみせかけている」という論理で、この環境=友達こそがヒッグス場だというのだ。ヒッグス粒子はそのままでは見えないもので、ヒッグス場にエネルギーを与えると現れるものというものだ。
あと実際のの質量の98%を生み出していると別の書籍であった「カイラル対象性」についても記述があるのだが、進行方向によってスピンの方向が異なるという説明があるのみで、質量との関連性については触れられていないのが残念。そこがやはり物足りない。何を読めばそこは解説されているのだろうか?