浅井祥仁のレビュー一覧
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2012年7月に最後に残った「神の素粒子」といわれている「ヒッグス粒子」の世紀の発見に、世界中が湧いた。以前から興味のあった素粒子の世界や宇宙の始まりの研究にまたチャレンジしようと思って、読んだ。相変わらず素粒子の世界は常識が通用しない世界であるらしい。ビッグバンは宇宙の誕生から10のマイナス34乗秒に起こった。その時の宇宙の大きさは10mぐらいだったのが、10のマイナス12乗秒後には1京度(10の16乗度)に冷えて、更に10のマイナス10乗秒には現在の宇宙の状態ができた。その頃にヒッグス粒子も誕生して、素粒子に質量を与えた。スイスの巨大加速器LHC(山の手線の大きさ)では、陽子同士を光速の近
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ネタバレ・正確には、質量は何かというと、ふた通りの定義のしかたがあります。ひとつは、光のスピードからどのくらい遅くなるかを示す量のことです。「慣性質量」と呼ばれています。質量にはもうひとつ、「重力質量」というのがあって、こちらがいわゆる「重さ」です。このふたつが非常に高い精度で一致していることが実験から分かっています。この理由はまだ不明ですが、一般性相対理論を支持する「等価原理」のひとつです。
・宇宙誕生直後に温度が下がって、平均してゼロになった時に何かが起こった。何が起こったかというと、それまで何もなかった真空がヒッグス場に満たされ、エネルギーが低くなったのです。
だから、平均したら何もないのでは -
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噂のヒッグス粒子モノ本第二弾だ。著者はヒッグス粒子の研究に携わっているバリバリの東大教授であり、素粒子論の基礎・CERNの実験施設・ヒッグス粒子の役割などなど全般をコンパクトに纏めている。
そもそも素粒子論は研究者にとっても判り難い、と評判の理論であり素人の手に負えないのは百も承知なのだから逆に大胆な切捨て、省略で簡略にしなければ中々説明が身につかないものだ。その意味で素粒子がエネルギー保存の法則を一時的に破る、という当たりで「ウソをつく」という表現にしたりして工夫を加えている(個人的には他の本で使われている「借金をしても良い」の説明のほうがしっくり来るが)。
その流れからの説明でヒッグス