加藤浩晃のレビュー一覧
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日本の医療体制が置かれている現状、勃興しているテクノロジーがそれらに対し、どのような解決となり得るのか。
本書は、医師の立場から、現在の医療環境に存在する問題を解決するべく、事業を果敢にも立ち上げている医師たちが多く登場する。
とかく「4.0」と命名されているように、テクノロジーばかりに目が行きそうであるが、そうではない。今、医療の現場は、何が課題なのか?それを丁寧に拾い上げていくだけでも、多くのヒントが隠れており、解決しなくてはいけない課題はたくさんある。それらに対し、テクノロジーの側面で問題解決が図れるのであれば、それはどんどん推進するべき。
ヘルスケア×テクノロジー=ヘルステック
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Posted by ブクログ
国の医療費の現状と展望、患者の立場から見える医療や病院の問題点はニュースで取り沙汰されやすいが、改善にはどのようなアプローチがあるのかを把握したく読んだ。
問題は数多ではあるが、各分野の現場でそれを解決しようとする医師達の見方や取り組み方を知ることができた。
基本的にはテクノロジーの利用で雑務の効率化、自動化を図り、医師が本来取り組むべき、また医師でしかできないことに注力できる仕組み作りで、患者や財政を含めてより良い世界を作ることができるという方向性であった。
またテクノロジーの利用による患者側の意識改革(時にほぼ無意識での自動計測技術も含まれる)による予防という観点の重要性も把握できた。患者 -
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日本においての医療1.0 1960年代に国民皆保険制度が実現し、現在の医療提供体 制の基礎の確立。医療2.0 高齢化社会の到来に対応した老人保険法の制定、高齢 者保険福祉の10ケ年計画であるゴールドプランの策定、現在につながる介護施 策。医療3.0 インターネットの広がりによる電子カルテをはじめとした医療の ICT 化の進んだ状況。そして、医療4.0は、まさに始まっている。
医療4.0とは、医療との接点が医療機関以外にも広がる「多角化」個人個人のオー ダーメード化が進む「個別化」そして、医療の主体が患者自身に変わっていく「主 体化」。医者と患者の情報の非対称化(つまり、医者だけが専門的知識 -
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高尾洋之先生の『デジタル医療』を読み、その流れで本書を手にした。テクノロジーが活用されることで、2030年の医療はどうなっているのかを未来予想するという企画。
冒頭は眼科医の加藤浩晃氏による総説、後半は先進的な取り組みをしている30人の医師へのインタビューで構成される。スタートアップの株式会社に携わる、主に30代の若手医師が多く、どちらかというとビジネスよりな内容か。
基本的にはAIに置き換えられる部分は積極的に置き換えて、医師は医療情報のキュレーション等、コミュニケーション部分を担う方向に向かいそうだ。また予防医学の重要性が高まっていることも読み取れた。
刊行は2018年なので、やや古 -
Posted by ブクログ
ちょっと仕事上で必要に駆られて、手に取った本。
医療やヘルスケアに関わらない限り、こんな本読まないと思いますが、
自分のような素人でも大枠理解できるように書かれていて読みやすいです。
デジタル化に合わせて、医療やヘルスケアの在り方が変わっていくというテーマなのですが、
構成の3/4くらいは、ヘルスケアテック系で起業している(主に)医師出身の人たちのインタビュー。
全部で30人います。
彼らがどんな問題意識を持っていて、どんなビジネスをしているかは、
インタビューを読めば大まかには理解できますが、
ちょっとポジショントーク的に感じるところもあるにはありますが、
それでも現場で起こった課題・問 -
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さまざまな技術革新はもちろんだけど、5G通信のインパクトが大きい。それと、人手が必須ではない作業の自動化。医療関係者の中に、ITと絡めて、現状の問題を解決できないか模索しているイノベーター、あるいは、アーリーアダプターがいるのだということが分かって心強く思った。タイトルの通り、2030年の日本の医療の予測。医療業界にもいろいろな問題が山積していて、第4次産業革命の技術を使って、今まで解決できなかったそれらを解決できるか。そこをやり遂げるのはエンジニアの仕事だろう。エンジニアの持っているパワーがそちらの方面に注力されるべきタイミングに来ているのではないか。