最高に面白かった。医学書ではないけれど、医療に関してガッツリ書かれている本。
若手医師が読むと確実に刺さる内容がいっぱい散りばめられていると感じた(というか、自分には刺さる内容が沢山あった)
自分のやりたいことは、最近「病気治し」よりも「病気になりかけの人を良くすること」だと感じている。1番自分の
...続きを読む中で印象に残っている患者も、入院している重症患者や高齢者ではなく、外来で(当初あまり使われていなかった)SGLT2阻害薬を導入してDMや心不全や肥満が改善した、明らかに「予後が伸びた」と感じることのできた中年男性だった。
また、小さい子を育てている層の患者(腎臓内科ならIgA腎症の患者が多い)の慢性疾患に、ベストな情報提供ができる医師になりたいと日々感じている。
海外で言うならば「家庭医」のポジションが理想。本書によると、イギリスなどでは家庭医から話を聞くことは健康に関する情報源として重視されている一方で、日本では健康についていちばんの情報源は「テレビ」らしい。(しかも、医師からの情報はランキングに入ってすらいない)
医学的に正しい情報を、うまくコミュニケーションを取ったり発信するスキルを駆使した上で、病気になる前段階の人たちに届けること。
本書でも登場した「崖のアナロジー」でいう、まだ崖の上にいる人たちのための仕事を何か一生をかけてやっていきたい、そんな風に感じている。
30代という時期の始めに読めてよかった。
読んで満足ではなく、行動に移していきたい。