大田由紀夫のレビュー一覧

  • 銭躍る東シナ海 貨幣と贅沢の一五~一六世紀

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    東アジアの貨幣と経済の歴史を、各地の様々な出来事が相互に影響しあう様子を叙述することで描き出す内容。各国における通貨変動の関連性や、銀の大量流入を経ての貨幣政策推移など興味深い内容が多い。

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    2022年09月04日
  • 銭躍る東シナ海 貨幣と贅沢の一五~一六世紀

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    ネタバレ

    1.贅沢は連鎖するー明・朝・日の経済成長
    東アジア各国の経済は、互いに影響しあい15世紀後期より好景気と奢侈の風潮が席巻していった。明建国当初は戦乱や明初体制の引き締めで停滞していた経済も、成化・弘治年間を画期として経済が復調する。また、銅銭の煩雑さや交鈔の暴落によって銀経済が持ち上がり、国税や軍糧の市場経済化が惹起されていった。土木の変後に効率的で速やかな軍政体制が求められたのも要因の一つである。
    2.悪銭と悪布ー巻き起こる通貨変動
    明の揀銭、日本の撰銭、朝鮮の悪布。商品経済の発達により通貨需要が高まったが、明が経費の高さから官銭の大量鋳造を行わなかったため、通貨不足が生じ、補うために私鋳銭

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    2021年12月31日