鈴木冬悠人のレビュー一覧

  • 原爆誕生 「悪魔の兵器」を求めた科学者たち

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    「恐ろしい未来が待っているとわかっていながら、現状に甘んじて特に何も変えようとしませんでした。長い期間を経て、その状況を徐々に受け入れていくというのは、何とも奇妙な感覚です。ですが、それは人間のほとんどの活動に共通して言えることなのではないでしょうか。」
    原爆開発に関わったある科学者の証言より

    この書籍では、原爆開発に関わった主要な科学者たちの証言を集めることで、科学者達がどういう思いで開発に携わり、原爆がこの世に生まれ、広島と長崎に投下されるに至ったかに迫っている。記録に残る証言を丁寧に読者に示すことを徹底し、著者の主観はあまり含まれていない。その構成がよかった。もちろん、これが全てではな

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    2025年11月22日
  • 日本大空襲「実行犯」の告白―なぜ46万人は殺されたのか―(新潮新書)

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    B29によル日本への無差別爆撃、戦略爆撃の思想と空軍創設への思い。戦争遂行と組織の力学を残された証言テープから解き明かす。

    NHKの番組から生まれた一冊。飛行機の進化により国の中枢を攻撃すれば戦争が早期に集結するという思想。陸海軍から空軍の独立を達成しようとする部隊。しかし日本列島上空のジェット気流に阻まれ、焼夷弾による都市部への無差別爆撃に作戦を変更する。

    組織の力学に突き動かされ多くの犠牲者の出た戦争。46万人の日本人が犠牲になったという空襲の舞台裏に迫った傑作でした。

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    2023年03月11日
  • 日本大空襲「実行犯」の告白―なぜ46万人は殺されたのか―(新潮新書)

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    第二次世界大戦末期、米軍による無差別爆撃で45万人もの人が殺されたが、アメリカで空軍の重要性を認めさせた軍人の行動を記した著者だ.B-29を得た米軍は日本に対して精密爆撃で工場などを破壊することを構想していたが、日本の気候などの影響で達成できず、焼夷弾による無差別爆撃に変化した経緯が語られている.アメリカに保存されていた資料を読み解いた著者の努力は素晴らしいと感じた.

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    2025年08月07日
  • 日本大空襲「実行犯」の告白―なぜ46万人は殺されたのか―(新潮新書)

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    興味深く読んだ。東京(日本)大空襲の裏で、米空軍独立のための成果として利用されていたことを初めて知った。
    そのために、あれほどの攻撃を行った面もあるようだ。また、精密爆撃、焼夷弾による爆撃も開戦前から研究されていたことに驚いた。ただし、日本も被害一辺倒ではなく、先に重慶への無差別爆撃を行ったため、上記攻撃を許す口実となった面もあることも。

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    2024年11月26日
  • 日本大空襲「実行犯」の告白―なぜ46万人は殺されたのか―(新潮新書)

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    野望の実現のために失われた命があまりにも多すぎる。
    やればやるほど倫理観は薄れ、己を正当化し、振り返ることもしない。

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    2023年04月29日
  • 日本大空襲「実行犯」の告白―なぜ46万人は殺されたのか―(新潮新書)

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    太平洋戦争末期、敗色濃厚の日本に対し、アメリカは徹底した爆撃を行った。なぜか? 長年埋もれていた米軍の内部資料をもとに、無差別爆撃の背後にあった狙いを解き明かす書籍。

    第2次世界大戦中、アメリカに“空軍”は存在せず、陸軍の下部組織に位置づけられ、“陸軍航空軍”と呼ばれていた。当時の航空軍総司令官、ヘンリー・アーノルド大将は、戦争の勝利以上に「空軍の独立」にこだわっていた。そして戦後、1947年、日本への空爆の成果を足がかりに独立を果たす。

    戦時中の1944年、米軍では、陸軍と海軍が互いの威信をかけ、日本本土への上陸を競い合った。こうした中で航空軍が戦果を上げるには、日本本土への直接爆撃しか

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    2023年04月04日
  • 日本大空襲「実行犯」の告白―なぜ46万人は殺されたのか―(新潮新書)

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    B-29って、予算的には原爆上回るような超兵器だったんだ。
    彼らの理屈は、作ったからには使え。使ったからには成果を出せだ。
    国際法何もない。
    有色人種のくせに、白人の権利を、堂々と足蹴にした日本など、人間の範疇に入らない。そこにあるのは戦果という数字だけだ。
    読んでて空恐ろしくなる。子供の頃聞かされてた戦争がこれだから、戦争ってそういうもんだと思ってたが、違うんだよ。

    誰一人、反省の言葉はなかった。

    そういうことだ。

    だが、米国が他の国と違うのは、どこかで反省が出来る国だってことだろう。
    それを信じている。

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    2022年03月14日
  • 日本大空襲「実行犯」の告白―なぜ46万人は殺されたのか―(新潮新書)

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    米軍の大空襲を人道の見地から検証、NHKらしい社会正義
    だが本質にたどり着いていない。「戦争を早期に止めさせる」という米国側の大義に対峙していない。
    1.「戦争の早期終了」に大義がある
    米国の青年を殺さない
    巨額の新兵器開発費 
    ①B-29 30億ドル=4兆円
    ②原爆   20億ドル マンハッタン計画
    →責任は政治がとる トルーマンの覚悟
    2.日本の問題
    (1)日本軍による無差別空襲 「重慶爆撃」
    (2)日本は「終戦」を決定できない→「天皇の聖断」
      ソ連参戦だけが天皇を動かした「共産革命の懸念」
      国民の命は二の次

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    2023年02月17日