トリイヘイデンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ『シーラという子』をだいぶ前に読んだ時の衝撃を思い出した。それからあの頃は、続けざまにこの著者のシリーズを読んで大人のひとりとして子どもに関わる仕事の大切さと困難な家庭のあるとこなどをあくまで客観的に知ってきた。
今回のジェシーという女の子もその延長線上で、という感じで読み始めた。違うところがまず、トリイ自身の立場の違い。違う国に来て正式な職務として取り組めなかったのは何と歯がゆい事だったでしょう。まして、今回のジェシーはこれまでの以上の強者で。
「うそをつく子」の本当の姿はすつかりはさらけ出せずに終わってしまったけれど教育現場と家庭の実態など辛い結末が尾を引く。
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Posted by ブクログ
ネタバレ最初は「何て胸糞悪い子なんだろう」と嫌な気分で読み進めていった。
トリイとのやりとりで時折涙を流すのを読んで、マウントを取ろうと嘘をついてるのか、それとも本当に苦しんでるのか、どっちなんだろうと一緒に悩んだ。
後半、トリイがジェシーのことを大好きと書いてあるところにちょっとグッと来た。
トリイの振り回されないところ、この子の愛すべきところをちゃんと見つけてるところがすごい。
ジェシーが自己破壊してしまうところもせつなかった。わからないことが怖かったんだ。
読んでいくにしたがってせつない気持ちがわいてきた。ジェシーは幼い頃から寂しい、悲しい思いを嫌というほど味わってきた。何てかわいそうな -
Posted by ブクログ
ネタバレトリイがウェールズで暮らしていて(今も暮らしてる?),ボランティアとして接したジェシーという10歳の女の子(11歳かも)の物語.
ジェシーは高齢出産で生まれた4人目の娘.上の二人の娘(双子)は既に成人して家を出て,3人目の姉はジェシーの8歳上で同居してるのかな.母親は産後鬱からしばらく子育てに参加できず,3人目の姉ジェンナがジェシーの面倒を見ていた.ジェンナはストレスからジェシーに性的いたずらをするようになり,これがジェシーの問題行動の根幹.この件については,物語の最後の方でトリイに心を開いたタイミングでジェシーが語った.
ジェシーは他者や場を支配するために嘘をついたり攻撃的になったりする -
Posted by ブクログ
ネタバレタイトルの通り、様々なうそをつく少女ジェシー九歳の物語。
ジェシーはグループホームで暮らしている。両親はジェシーが放火事件を起こしたことで、「一緒に暮らしたくない」と訴えジェシーは家庭から離される事になった。
そのグループホームへトリイはボランティアとしてセッションをしながらジェシーに関わる。
大筋はこんな感じ。
トリイは今までの作品と違って、ボランティアとして関わるので細部が若干、『わからないまま』物語が進んでいく。特にジェシーの両親は後半を過ぎてからチラリと出てくるだけで、前半はジェシーやスタッフであるメレリの言葉や記録を見てという情報しかない。
そして、繰り返されるジェシー -
Posted by ブクログ
信頼できる大人にいうのが正しいのよ。
ものごとは決してよくならないという気になるときがあることは分かってるわ。でもね、たった一つでも本当のことから始めれば、そこから取り組んでいけるのよ。
本当のことをいうことが、あなたにとって安全な選択とは感じられないのは気の毒だわ。
本当のことをいう努力をしていきましょう。
誰もが幸せになりたい。誰もが愛とつながりにあふれた充実した人生を送りたいと思っている。不幸になることを選ぶ人などどこにもいない。もし自分がやっていることのせいで誰かが不幸せだとしても、それは最初から意図した結果ではない。どんな理由があるにせよ、自分がやっていることが気分をよくすることに役 -
Posted by ブクログ
ネタバレ途中、読むのを挫折しそうになった。
内容が読んでて辛いとかでなく、何も進展しなさすぎたため。
それを何とか乗り越え読み切れた。
簡単に言うと児童虐待の話
いつも嘘をついて自分に注目してもらいたい、暴力を振るったり放火したり、実の親に育児を放棄された9歳の愛着障害と診断された女の子。
愛着障害って初めて聞いた言葉。
その子に忍耐強く関わり問題を解決しようと必死だったトリィ。
ちょっと困らせてやろうと嘘をついたことで、とんでもない目に合わされた職員(性的なことをされたと嘘をつく)
日常的に嘘をつくから、ほとんど信用されず
でも、今度は嘘をついてないかもしれないと助けを求めてるかもとか考えたり。
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Posted by ブクログ
トリイ・ヘイデンのノンフィクション。
『シーラという子』ほどの衝撃はなかった。自分が大人になったからかも。
日常的に嘘をつき、常に会話の主導権をにぎろうとする少女に、トリイが根気よく付き合い、彼女が言えなかったことを言えるように導いてゆく話。トリイと少女のやりとりが、長々と、詳細に書かれている。読んでいるだけで疲れるのだが、ノンフィクションならではだと思った。
個人的にはイギリスの紅茶とお菓子の文化に触れられる点が良かった。ボランティア先の施設、少女の実家、里親先に至るまで必ずお茶が出てくる。添えられている菓子がビスケットだったり、ティーケーキだったり、チョコだったりするが、本当に日常的に