仲村燈のレビュー一覧

  • ろくだいめ

    購入済み

    もっと時代性を

    作者仲村燈のデビュー作だそうな。終局への盛り上げ方がやや弱い という印象を受けたが、全体的な話の組み立ては、手際よくまとまっていると思う。ただ時代として「幕末」を想定しているようだが、読んでいて時代を感じさせるものが「舟」ぐらいしかなかった。もっと時代性を強調してもいいと思う。

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    2023年01月02日
  • 桎梏の雪

    Posted by ブクログ

    世襲将棋家の推挙制名人の時代にはなんら知識がなく、その因習の桎梏に浸らせていただいた。明確な実力制名人ではないならば、後継ぎをめぐり将棋三家、家元間の政争は当然に繰り返されたはずだ。御城将棋なるものだって、ガチンコでみっともない棋戦を晒せないし、おそらく事前に対局した名局を再現して披露したんではなかろうか。そんな盤外のかけ引きやら根回しやらを想像させる。当時の陰鬱にも思える棋界にあって、女性として高段の実力を備え、奔放な性格のお弦が物語に光輝を放つ。ただミステリーについては解決しんだっけか、棋譜が読めず。

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    2021年10月15日