西井開のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
周縁化された「非モテ」男性たちが、女性を「女神化」し、さらには加害に走ってしまう(場合もある)メカニズムがよく理解できた。
私は女性なので、嫌悪感を禁じえない語りもあり、著者はくり返し「加害行為を免罪するものではない」と書いているものの、加害の背景が語られると「いかなる事情があったとて被害は消えないのだ」という憤りが湧いてきてしまう。しかしそれを前面に出していては建設的な議論はできないし、女性学が女性のためにあるように、男性学は男性のためにあるべきなので、その気持ちは脇へ置いておく努力をしながら読み進めた。
「非モテ」男性が被ってきた、「からかい」や「緩い排除」は、学校の中でしばしば見受けられる現象で、彼らも語るとおり、狭い世界を生きているがゆえに、そこにしがみつかざるを得ないということが、状況を深刻にしている。学校以外にも居場所を作ること、習い事や地域のコミュニティに所属したり、インターネットで情報に触れたり、読書をして世界を広げることなども救済になりうることを知り、まずは「世界はここ(学校)だけじゃない」と知ることがすごく大切だと思った。自分が親になったとき、子どもにはなるべく多くの「世界とのつながり」を持たせたいと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ終章での筆者の誠実性に惹かれた。
研究者であり当事者である自身の権力性に関する自覚とそれを乗り越えるための当事者達との話し合い。
分析するという行為自体が持っている権力性の問題について、特にこの男性学というテーマでは、どういう立場で語っているのかという問題が一層際立つ。
「非モテ」という言葉(スーツケースワードと本書で書かれる)を特に定義せずに使う事で当事者の語りや話の広がりを生み出しているため、呼び水のようなものであり、テーマとは少し違うかもしれない。
人間の関係性から成り立つ社会を研究するという事は研究者自身も含まれる社会の中で、本人の状況を棚上げにして問題点を指摘するという構図が生まれうる。
それでもその分析や問題意識自体の価値が無くなるとは思わないが、その分析が意図しない様々な使われ方を呼び込む時に、その権力性に対する慎重さが重要なのだと思わされた。
思わず、終章について感想を書いてしまったが、全体を通して切実な当事者の言葉と大したことのない問題として片付けられるかたちで表面上浮かび上がる「非モテ」という悩み、その内と外のコントラストが浮かび上がってくる。
悩みというのは人に認められる重さを持たなければ、それは悩みとして存在すら許されないのではないかと、周りの評価を先回りして、それをなかった事にしてしまう感覚。
そういう感覚を持ちがちな自分にとって、この非モテにまつわる構造とそこから派生する当事者の語りはとても身近なものに感じた。 -
Posted by ブクログ
それぞれが言っていることを
理解できる気もしたし、読んで興味深かったけど
そこまで考えが発展してしまうのかと。
周りからみれば、学生時代に
面白そうにしていると見えていた
イジリみたいなことも、されている側の本心は
めちゃくちゃ傷ついていて、こんなきっかけで
拗らせていくんだと知った。
男性にとっては、モテるモテないが
こんなに人生を左右するのかと。
女性は容姿や若さで判断されている事が
圧倒的に多いと感じるけど、
男性は、学歴とか収入といった
後から自分で変えられるもので判断される
割合が多い気もしているのですが。
男女どうこう、モテるモテないより、
最終的には人柄。